岐阜県営住宅ハイタウン北方

南ブロック第1期、第2期

1960年代に建てられた県営住宅の建替え計画のうち、最も古い南ブロックを磯崎新が総合コーディネーターとなって4人の女性建築家がそれぞれ4棟の設計を担当しました。

4棟は中庭を囲む様に配置され、外観はパンチングメタルを使用し、統一感が感じられますが、それぞれに特徴を持った建物として独立もしています。

中庭はさまざまなモチーフをもった小庭園が連鎖しています。

所在地:
設計者:



用途:
建築年:
備考:
本巣郡北方町
ワークステーション 司設計
妹島和世建築設計事務所 山清設計
クック・アンド・ホーリィアーキテクツ サニー設計事務所
ディラー+スコフィディオ 岬建築事務所

集合住宅
1964年

[高橋棟(S1)]現代の田の字プランともいえる平面をもった棟。水周りを除く室を大きなワンルームとしても、可動建具、可動間仕切りによって仕切り、個々の部屋としても使える様計画されている。北側共用廊下と住戸の境を半透明の波板型ガラスとし、その内側に土間を配置させて柔らかな外→内の連続性を持たせています。

[ホーリィ棟(S2)]メゾネットプランの住戸。基本的に、下層がパブリック部分、上層がプライベートな部分とはっきり分かれています。パブリックな部分には吹き抜けが設けられ、広がりを感じさせる工夫がなされています。敷地に沿って棟が曲がり、南側外壁は彫刻の様にも見える特徴的な外観を持っています。

[ディラー棟(S3)]水回り、パブリックゾーン、プライベートゾーンと3分割されたプラン。限られた空間を可動建具で仕切ることによってゾーンを分ける工夫が見られます。各住戸を平面的にも断面的にもずらす事により、共同住宅ながら、独立した玄関アプローチとバルコニーを確保しています。

[妹島棟(S4)]一部屋を一単位として縦横様々に組み合わせて住戸とした棟。30パターン以上のプランがあります。また、棟に穴を空ける様にテラスが配置される事により、一住戸について3箇所以上、外部への出入り口を持っている事も特徴です。

(調査:平成13年度2年建築学科 林寛和)