カオスを日本語に訳すと「混沌」や「無秩序」という意味である。 カオスは、19世紀末から20世紀初頭にかけてのポアンカレの研究以来、カオス概念が研究の表舞台に登場してきた。[5] しかし、カオスをきちんと定義すること自体でさえ大変難しい問題であるほどカオス理論の研究は今だ未開拓である。 現在、決定論的力学系に見られる不規則でかつ複雑な軌道が、 カオスと総称されている。
カオス現象は、 自然物、人工物を問わず非線形システムにごくごく当たり前に生じるものであり、 風に吹かれて揺れる木の葉や地震の波、 海岸にうちよせる波の動きなど日常生活の中にも観察することができる。
またカオスは生体の活動に対しても重要な役割を占めている。 例えば心臓の鼓動などがそれにあたる。 心臓の鼓動は常に一定ではなく、 強くなったり、弱くなったりしている。 刻々と変動していく予測のできない 自然の環境の変化に対して、一定の鼓動であるよりも 柔軟に対応できるようになっている。
カオスの定義は様々な研究者によってなされているが、 それらを総じて要約すると、 カオスとは、
「決定論的なシステムがつくり出す非周期振動」