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5.1 目的

従来の連想記憶モデルの多くは、学習時にパターンの相関行列に基づいて重みを学習し、想起時にはその重みを利用して想起を行なうというものである。つまり学習過程と想起過程とは全く分離されたものとなっている。しかし、脳においての学習と想起とは分離されたものではないと考える方が自然である。また、ネットワークに記憶させるパターンがあらかじめ全てわかっているとは限らないので、既知のパターンが入力として与えられた場合にはそれを想起し、未知パターンが入力として与えられた場合には新しいパターンとして学習するネットワークを構築することは工学的にも有用であると考えられる。

本研究では、長名 tex2html_wrap_inline1610 服部 tex2html_wrap_inline1610 萩原らが提案した、カオスニューラルネットワークに継続的にパターンを入力することにより、既知パターンが与えられた時にはそれを想起し、未知パターンに対しては逐次的に学習することができる学習法を再現する。またこの学習法での追加学習は、全てのニューロンの内部状態から判断して追加学習を行なう広域的な学習であるため、個々のニューロンの内部状態から判断して追加学習を行なう、局所的な学習を行なえるか検討する。



Deguchi Toshinori
1998年03月18日 (水) 13時22分42秒 JST