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: ニューラルネットにおける学習 : 実験準備 : 実験準備   目次

学習に用いるネットワーク・教師信号

今回の実験の目的は時系列データを内部記憶を持つニューラルネットワークに 遅れ学習法を用いて学習させる場合に、遅れ時間が学習結果にどのような 影響を与えるかを検証することである。 そのため、使用する内部記憶を持つニューラルネットワークは 小規模のものとし、 学習させる信号は簡単なものとした。

一般的に、学習させたい信号は 一時間ごとの気温などのように周期性をもつものが多い。 そこで、今回学習させる信号はある短い周期を 繰り返すものとし、 その一周期の時系列は ある波の一周期を等間隔でサンプリングしたような離散データとした。 ただし、ニューラルネットの出力は0から1の範囲であるため、 教師信号はその範囲とした。

実際に学習させる 信号は正弦波、三角波、ノコギリ波(上り)、ノコギリ波(下り)とし、 その一周期の 離散データを以下のように定義する。時間$i$における教師信号を $\hat{y_i}$、 一周期内のサンプリング数を$n$とする。ただし、$i$$0 \leq i < n$ の整数とする。 一周期のデータ数は$n$の値を変えることで変化させることができる。

  1. 正弦波
    \begin{displaymath}
\hat{y_i}=0.5\sin \{\frac{2\pi}{n} i\}+0.5
\end{displaymath} (5.1)

  2. 三角波
    \begin{displaymath}
\hat{y_i} = \left \{
\begin{array}{@{ }ll}
\frac{2}{n} i...
...{n} i & \mbox{($i > \frac{n}{2}$)のとき}
\end{array} \right.
\end{displaymath} (5.2)

  3. ノコギリ波(上り)
    \begin{displaymath}
\hat{y_i} = \frac{i}{n}
\end{displaymath} (5.3)

  4. ノコギリ波(下り)
    \begin{displaymath}
\hat{y_i} = 1-\frac{i}{n}
\end{displaymath} (5.4)



Deguchi Lab. 平成20年3月5日