ニューロンのどの性質に着目するかにより、ニューロンの機能をモデル化する方法は異なる。 ここではニューロンの細かな機能には拘泥せずに、 ネットワークを構成する一要素としてニューロンの機能を単純化したモデルを考える。
単純化したモデルを考えるに際して、ニューロンは以下の1ないし3の機能・性質を有するものとする。
個のニューロンの出力が、あるニューロンへ入力されているとする。 このときシナプスの信号伝達効率は一様ではなく、影響の強さは各個異なり、興奮性・抑制性の違いもある。 これをシナプス結合荷重 として表す。 結合荷重の絶対値の大きさが影響の強さを、正・負が興奮性・抑制性を表す。 また、結合荷重の変化がシナプス可塑性を実現する。
番目のニューロンの出力をと表すと、そのニューロンからの影響はと表される。 各ニューロンからの影響の総和が閾値を超えるとニューロンが発火し、 その出力をとすると以下のように表現できる。
は式(2.1)の通り、他の各ニューロンによる影響の総和から閾値を引いたもので、 内部ポテンシャルなどと呼ばれる。
は出力関数であり、階段関数(式(2.2)、図 2.2)を 用いることで全か無の法則を実現する。
ちなみに、これが1943年にマカロックとピッツによって提案されたニューロンモデルであり、 これを視覚化したものが図 2.3である。