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ニューロン間の協調作用・競合作用

ニューロンのシナプス結合の強さはモデル化した際、結合荷重と呼ばれる。 この結合荷重の大きさにより興奮性と抑制性に分けることができる。

結合荷重が正の値となるシナプス結合は、興奮性シナプスと呼ばれる。 このシナプスをもつニューロンが興奮すると、結合先のニューロンも興奮しやすくなり、二つのニューロンが同時に興奮しやすくなる。 これをニューロン間の協調作用と呼ぶ。 また逆に負の値の結合荷重を持つシナプス結合を抑制性シナプスと呼び、 この結合を持つニューロンが興奮すると結合先のニューロンは興奮しにくくなる。 これをニューロン間の競合作用と呼ぶ。 つまり、協調性とは、相互結合したニューロン同士を同じ状態になるように促す作用であり、 逆に競合性とは相互結合したニューロンに自分とは逆の状態を促すものである。 一般にニューロンが多数結合しているニューラルネットワークにおいてもこの作用が シナプス結合により発生する。 ニューラルネットワーク上での情報処理は各ニューロンの興奮によって行なわれるため、これらの作用は重要な意味を持つ。 つまり、協調作用と競合作用はニューラルネットワークにおける基本的な振舞であるといえる。



Toshinori DEGUCHI
2005年 2月17日 木曜日 19時40分14秒 JST