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5.10 曲の相関関数を求める手法

この手法は教師信号と想起された曲を比較するために用い、 それぞれの曲を周波数に変換したものの相関を求める手法である。

相関というのは2つの波形がどのくらい似ているのか(関係があるのか)を示す尺度であり、 時系列などの相関性を調べるために相関関数が用いられる。

その算術式を示す。

2つの不規則変動を x(t) 、y(t) とすると、 その相互相関関数 tex2html_wrap_inline1639 は、

equation335

で定義される。r はラグと呼ばれる y(t) の時間軸上の平行移動を示すパラメータである。 この式を見てもわかるように、x(t) と y(t) の積を積分することによって2つの変動が似ているかどうかを判断している。 あるrのときに2つの変動が似ていれば、x(t) と y(t+r) の積 x(t)y(t+1) が正か負のどちらかに多く分布し、 その積分値が大きくなるのである。 また、自己相関関数を求めたければ y(t+r) を x(t+r) にすればよい。



Deguchi Toshinori
Wed Feb 21 11:55:53 JST 2001