カオスを日本語に訳すと「混沌」や「無秩序」という意味である。 カオスの概念は、19世紀末から20世紀の初めにかけて ポアンカレの研究によって、始まったとされている。 そして現在、複雑系科学を語る上でカオスの概念はなくては ならないものとなっている。 しかしカオスをきちんと定義すること自体でさえ大変難しい問題であるほど カオス理論の研究は未だに発展途上である[4]
カオス現象は、 自然物、人工物を問わず非線形システムに ごくごく当たり前に生じるものである。 カオス現象の例を挙げると、炎のゆらめきや海岸に打ち寄せる波、 風によってなびく旗などがあり、日常生活の中にも 様々なカオスを観察することができる。
またカオスは生体の活動に対しても重要な役割を占めている。 例えば心臓の鼓動などがそれにあたる。 心臓の鼓動は常に一定ではなく、 強くなったり、弱くなったりしている。 刻々と変動していく予測のできない これは、自然の環境の変化に対して、 一定の鼓動であるよりも、柔軟に対応できるようになっている。 脳に関しては、ニューロン又はニューロンの集団は単一の機能を持つように 構築されるのではなくて、それらを取り巻く脳内環境や外界の状況に応じて、 複数の機能を表現できるように構築されている。
カオスの定義は様々な研究者によってなされているが、それらを総じて要約すると、 カオスとは
「決定論的非周期振動現象」