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カオス

  カオスは、無秩序、混乱、混沌などと訳される。 19世紀末から20世紀にかけてのポアンカレ(Poincar tex2html_wrap_inline1483 )の研究以来、 カオス概念が研究の表舞台に登場してきた。[3] カオスの定義は研究者によって異なり、統一的な見解は得られておらず、カオスを定義 すること自体が一つの大きな問題であるということができる。 本研究では「決定論的力学系において生じる非周期的振動」を カオスということにする。[4]

決定論的な立場では、系の状態が次にどのように変化するのか確定している、 つまり、初期値が定まれば、未来の状態を予測することができるということを 前提としている。 このとき、システムが線形であれば、解は非常に単純な振舞いしか示さない。 しかし、非線形である場合、解の挙動は非常に複雑かつ多様となる。 そして、カオス状態においては系の未来の状態は全く予測することができなくなる。

カオスの特徴として、初期値の非常に小さなずれが、将来の結果に大きな差を生み出す ことが挙げられる。 このようなカオス現象は、人工物、自然物を問わず非線形システムでは普通に みられるものである。



Deguchi Lab.