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: 実験モデル : 実験 : 実験   目次

目的

以前から本研究室では、カオスニューラルネットワークを用いた学習法として、ヘップの学習則に基づいた逐次学習法の研究を行なってきた。その研究結果から、学習する際に用いる結合加重の変化量の適切な値は求めることができた。しかし、学習を終えたネットワークに、あるパターンに近いパターンを入力したときに、どのくらいの違いまで学習させたパターンに引き込めるのかという研究はされてこなかった。 引き込むというのは、4.2節でも述べたように、$N$個のパターン$x(1)$から$x(N)$を学習させたネットワークにおいて、学習させたパターンの1つ$x(r)$と近いパターン$x(r)'$を入力したときに、$x(r)'$によって$x(r)$を連想できるということである。 また、引き込み領域とは、学習させたパターンと近いパターンをネットワークに入力したときに、学習させたパターンに収束できる範囲である。 本研究では、逐次学習法の学習における引き込み領域の研究を行う。 前述したように、素子間の結合荷重分布などのニューラルネットワークの構造により、エネルギー関数がどのような形状を持つかは異なる。本研究は、今回用いる相互結合型のネットワークにおけるエネルギー関数の形状を調べることであると考えることができる。

Deguchi Lab. 平成21年3月6日