カオス

カオスとは、「決定論的力学系において生じる非周期的振動」のことを示す。「決定論的力学系」とは 、「初期条件によって以後の運動が一意に定まる系」のことであり、「非周期的振動」とは「規則性がな く、不規則である」挙動のことを示す。 つまり、カオスは一見ただのランダムな振る舞いに見えても、実は全てある方程式によって導き出すこ とが可能なものである。[2]

カオスの特徴には「軌道不安定性」、「長期予測不能性」、「初期値鋭敏性」等を上げることができる 。これらの特徴の内、「軌道不安定性」と「長期予測不能性」の為に、カオスにおいては過去の挙動か ら未来の挙動を予測することが困難であるとされている。

「初期値鋭敏性」は、初期値の非常に小さな差が、未来の結果に多大な影響を生み出すことである。

カオスは日常生活にも存在する現象である。例えば、風の流れに乗る木の葉の軌道や、海岸に打ち付け られる波の動きなどの自然現象を始め、ラグビーボールが何回かのバウンドの後に突然方向を変えると いった人工物の振る舞いにも、カオス的な挙動が見られる。これらの他にも、生物界においてもカオス は存在していることが、今までの研究により確認されている。そして、このカオスが生物の神経細胞の 振る舞いに重要な役割を持っていることがわかっている。



Deguchi Lab. 2017年3月6日