全ての項目でかなり高い評価を得た。 特に記憶のしやすさとエラー発生率では、いずれも19人中18人が4以上の評価という高い結果であった。 0、1のボタンが目立って見えることから、学習のしやすさ、記憶のしやすさでの高い評価につながっていると考えられる。 また、ボタンの上にマウスカーソルをあわせると色が変化することも学習のしやすさの評価に関係していると考えられる。 特に大きな問題点は見当たらないが、主観的満足度が他の項目の評価に比べて低い。 これは、ただボタンをクリックするだけであり、一文字ずつの入力であるという「平凡さ」がやや評価を下げる要因となっていると考えられる。
各項目の平均評価は3〜4で、全体的にある程度の評価を得た。 特にエラー発生率でやや高い評価を得ている。 これは、次の遷移先が存在する入力のみボタン化されるので、誤って途中で状態遷移が定義されていない文字列を入力してしまう心配がないからであると考えられる。 逆に、主観的満足度はやや低い評価を得ている。 これは次の遷移先が存在する入力のみボタン化されることの欠点である、入力の制限される点が原因であると考えられる。 学習のしやすさの評価がそれほど低くないことから、4.1.2項の予想に反して操作方法に気づきにくいと考えた人は少なかったようである。 また、5項目中で効率性の評価がが最も低い。 これは遷移図の矢についた数字がボタン化されるため、その都度マウスの大きな移動が必要とされるためであると考えられる。
全ての項目で平均的に高い評価を得た。 特に効率性と主観的満足度が高く、これは入力文字列を最初に全て入力することで操作時間が短くて済むことが関係していると考えられる。 また、主観的満足度に関してはユーザが入力した文字列のうちどこまでオートマトンに入力されているのかがわかる仕様になっていることも高評価につながっているのではないかと考えられる。
エラー発生率でかなり高い評価を得た。 これは、入力がユーザによらずランダムに決定されるため、ヒューマンエラーが起きる要素がないので当然の結果であると考えられる。 それ以外の4項目については全体的に低い評価であった。 中でも主観的満足度が目立って低く、これは4.1.2項で予想した通りユーザが操作したくても操作できず、思い通りにならないことが原因であると考えられる。 記述欄にも「ランダム入力はわかりにくい」との声がみられたた。
それぞれの操作方法を比較して考えると、1-1、1-2はいずれもボタンをクリックするタイプで似ているが全ての項目において1-1のほうが高い評価を得た。 特に、効率性の項目においては、4以上の評価をつけた人数が1-1は15人であるのに対し1-2はその半分以下の6人である。 この二つの操作方法の大きな違いは、ボタンの目立ち具合と位置である。 この違いが1-1と1-2の評価を分けた大きな要因であると考えられる。 また、1-1がそれぞれの入力値について一つのボタンであるのに対し、1-2は同じ値を入力したい場合でも複数の遷移先が存在する場合には複数のボタンが表示される。 これがユーザの混乱を招き、評価を下げる要因の一つとなったのではないかと考えられる。
1-3については、1-1に次いで全体的に高評価を得た。 入力に使用しているボタンは位置は異なるが、デザインは1-1と同じものである。 やはり、大きく目立つボタンが評価につながると考えられる。 また、効率性と主観的満足度は1-1より高い評価を得た。 これは、一度に最後まで入力することで操作にかかる時間が短縮でき、煩雑さが減るためであると考えられる。
1-4については、他の操作方法と比べ明らかに評価が低かった。 ユーザの思い通りに操作できない点が評価に大きく影響したと考えられる。
このコンテンツのような二通りの入力を複数回行う場合は、それぞれの入力の値に対して一つのボタンを設置することが有効であるといえる。 また、1-1と1-3の評価から、一文字ずつ入力する方法、一度に入力してしまう方法のいずれも需要があることがわかった。 これら二つの方法を使い分けあるいは両方を切り替えられるようにするのが大切であると考えられる。