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ニューロン間の協調作用と競合作用

ニューロン間のシナプス結合には、興奮性と抑制性の二種類がある。 興奮性のシナプスの場合、あるニューロンが興奮して他のニューロンの興奮性結合を通じて促進しようとし、ニューロンが互いに興奮を促進しあうことを協調作用と呼ぶ。 この場合、二つのニューロンは同時に興奮しやすい。 一方、抑制性のシナプスは先ほどとは逆に一つのニューロンが興奮すると、 接続された他のニューロンの膜電位は下がり興奮しにくくなる。 この場合、二つのニューロンは同時に興奮しにくく、どちらか片方のみが興奮する。 このことをニューロン間の競合作用と呼ぶ。

一般に、ニューラルネットワークにおいても同様のような効果が各シナプスの結合の正負によって生じる。 そのため、ニューラルネットワークの情報処理においてこの作用は重要な意味を持つことになる。 また、脳における情報処理として、いくつかのニューロンのうち1つのニューロンが興奮することにより、何らかの認識が脳内の中で行われているという説がある。 この場合、競合が本質的役割を果たし、 複数のニューロンの興奮により何らかの認識が行われる場合、協調が複数のニューロンの興奮が促進しあう機構として役割を果たしていると考えられている。



Deguchi Lab. 2015年3月4日