ニューロンは、図 2.1に示すように、ニューロンの本体の部分となる細胞体と、複雑に枝分かれした樹状突起、本体から1本だけ出ていて末端で多数に枝分かれする軸索と呼ばれる3つに分かれている。
全体の流れとしては、まず樹状突起が他のニューロンから出力された信号を受け取り、細胞体はそれらの多数の信号をもとに“計算”を行い、その答えを軸索、シナプス、樹状突起という順番で伝える。
軸索を伝わる信号とはいったいどのようなものなのか。それは、理工学系には関係がない分野のように思えるが、実はただの電気現象なのである。
順を追ってみてみると、まずニューロン内部の電位は通常低い状態にあるという。しかし、外部からの信号がある条件を越すと、ニューロンが“興奮”し、内部の電位が突然高くなる。 このときニューロンは発火したといい、軸索を通して0.1V、1ms程度のパルスが伝わる。 このパルス幅は、通常のデジタル回路と比べて非常に遅いものである。一見、脳神経より最近のコンピュータのほうが能力が高いようにもとれる。 しかし、この現象がいたるところで並列処理されているため、全体としてはものすごい情報処理能力を持つ理由となっている。