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考察

“付加情報なし”と“1”で、着手可能数を付加したもののほうが序盤〜中盤において誤差が減少している。 これは、オセロにおいては序盤〜中盤は基本的に自分の着手可能数が多いほどよく、相手の着手可能数が少ないほうが有利である傾向があるためと考えられる。

この実験では自分の着手可能数のみを入力に入れたが、相手の着手可能数についても入力にいれることによって更なる改善が見込まれると考えられる。

“付加情報なし”と“2”においては、次の手番を付加した場合は中盤において有利になっているが中盤終わり〜後半においては逆に誤差が上昇してしまっている。

“1+2+3”と“1+2+3+4”では、誤差に目立った変化が見られなかった。つまり開放度理論を用いても効果が無かったということである。 開放度理論は中盤において比較的高確率で最善手を見つけ出すことが出来る手法であり、中盤で誤差の改善に役に立つと考えていたが、意外にそこまで役に立つ手法ではないことが分かった。 これは、開放度理論は中盤において70〜80%で最善手を見つけることが出来るが、あくまで初心者〜中級者向けであるため、それほど効果を発揮できなかったと考えられる。

ここであげられた手法をいくつか組み合わせた結果、“1+2+3”が最も良い結果になった。 それぞれ異なる長所を持つ特徴を織り交ぜることにより、それぞれの良い点が反映されてさらによい評価値が出てくることがこの実験より分かった。



Deguchi Lab.