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考察

学習回数を4万棋譜から46万棋譜に増やすことによって、学習誤差を最大で半分程度まで減らすことが出来たのが結果よりわかる。 序盤の誤差が比較的大きい8手目においては4万棋譜の学習で誤差が16.59石、46万棋譜の場合は15.98石というようにあまり差は現れていないが、序盤はそれほど重要な場面ではないためこの程度学習誤差が下がれば十分と考えられる。 中盤〜終盤に関しては、46手目においては4万棋譜の学習で誤差が11.8石に対して、46万棋譜の場合は8.4石まで下がっており、学習回数を増やした影響が色濃く出ている。

この評価関数を対戦プログラム(第 7.4.3章にて詳細を記載)に用いて、実際に対戦してみたところ初心者4人に勝つことが出来た。 この結果より、実際に使用することが出来るレベルまで学習できたといえる。

ところで、一般的なアルゴリズムでは終盤は完全読みを行っているのが普通である。完全読みでは最終手まで完全に読みきってしまうため、その時点での最良手を把握することが出来るというものだ。 何手目から完全読みをするかはそれぞれのプログラムによって違うが、中には15手前後前から完全読みをするプログラムも存在する。 そういった完全読みの存在を考慮して、誤差の許容範囲は1石程度とすると、46万棋譜の学習の56手目において7石ほどの誤差があるので、この学習結果は決して良くはないと考えられる。 以前より誤差が半分以下に減少し改善されたようにも見えるが、まだまだ改善の余地はあると考えられる。



Deguchi Lab.