next up previous contents
Next: ニューロンモデル Up: ニューロンとニューラルネットワーク Previous: ニューロンとニューラルネットワーク   目次

ニューロン

ニューロンとは生物の脳を構成する神経細胞のことで、 細胞体(soma)、樹状突起(dendrite)、軸索(axon)の三つの部分からなり、 図 2.1に示すような構造をしている。[5]

図 2.1: ニューロンの構造
\includegraphics[scale=1]{epsfile/neuron.eps}

細胞体は樹状突起と軸索が会合する部位で、ここに細胞核が存在する。 樹状突起は細胞体から木の枝のように分かれて突き出た数十本の突起のことで、 他のニューロンからの信号を受けとる役割を持つ。 軸索は細胞体から長く伸びた一本の突起で途中で数十〜数百に枝分かれし、信号の出力を行う部分である。 軸索の末端は細胞体や術状突起に付着しており、付着部をシナプスという。

ニューロン同士が網の目のように結合したネットワークで生物の脳は構成されている。 このネットワークが並列的に入力と出力を繰り返すことで、 生物の脳はごく短時間に入力された膨大な量の情報を処理し、出力している。

ニューロンの細胞膜の内外には電位差が存在し、これを膜電位(membrane potential)という。 細胞外の電位を基準にすると、細胞内の電位は通常は負を示し、 この電位を静止電位(resting potential)と呼ぶ。 シナプスによって他のニューロンから入力信号を受けとると電位があがり、 それがしきい値を超えると電位は急激に上昇して正電位に達し、また元の電位に戻る。 電位を縦軸に、時間を横軸にとって、電位変化のグラフを描くと鋭く尖った波形になるため、 これをインパルス(impulse)と呼ぶ。 膜電位がこのように変化したとき、ニューロンは興奮した(exicite)、あるいは発火した(fire)といい、 正になった時の膜電位を活動電位(action potential)と呼ぶ。 一度インパルスが発生すると、その直後にはその部分では新たなインパルスを発生することができない。 この期間を絶対不応期(absolute refractory period)という。 絶対不応期を過ぎて数ミリ秒はしきい値が通常より上がり、このとき発生するインパルスは通常のものより小さい。 この期間を相対不応期(relative refractory period)という。[1]



Deguchi Lab. 2016年3月1日