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6.6 ネットワークの構成

 

   figure626
図 14: ネットワークの構成

サーチアクセスは,図 14 のように構成されている. まず,自己相関学習により,パターンを学習させておく. そして,検索したいパターンの特徴を入力し, カオス系のニューラルネットワークを用いて,パターンを出力させる. その出力されたパターンの特徴を抽出し, 入力されたパターンの特徴と比較する. その結果から,シナプス前抑制によりカオス状態と自己想起(非カオス)状態を 制御する. カオスニューラルネットワークは,出力したパターンを次の入力とし, これを繰り返し行なう. 出力パターンの特徴と入力した特徴が近くなると, カオス状態から自己想起状態へ移行させ, 入力した特徴を持ったパターンを出力するようになる. これで,特徴入力により,パターンを検索することができる.

   figure634
図 15: ネットワークの構成2

しかし,前述したように,図 14のネットワークを用いたサーチアクセスにおいては, 学習させるパターンによっては正しいパターンを検索できない場合がある. そこで,検索が成功するパターンを画面上には出力しない”内部パターン”として用いて, 検索させたい目的の”出力パターン”に変換することによって, これまでは検索できなかったパターンを検索させる. パターンの変換を用いたサーチアクセスは, 図 15のように構成する. まず,検索が成功しているパターン1(バツ,三角,波,星)を内部パターンとして, 自己相関学習により学習させておく. さらに,検索させたいパターン2(O,A,E,J)を出力パターンとして,パターン1の各パターンと1対1に対応させて,相互相関学習により学習させる. そして,検索したいパターンの特徴を入力し, カオスニューラルネットワークによって出力された内部パターンを, さらに一段追加したニューラルネットワークによって出力パターンに変換して出力する. よって,すべてのサーチアクセスを実行する過程を, ニューラルネットワークのみで構成することができる.



Deguchi Toshinori
1997年03月18日 (火) 14時34分51秒 JST