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結論

浅川が提案したカオスニューロンを使用する学習法は ネットワーク内の個々のニューロンが単独で 自分の内部状態から判断して逐次的に学習を行なっていく学習法である. この学習法で, ニューロンの素子数, アルファベットやランダムパターンの大きさ変化させ学習への影響を調べた.

その結果から, アルファベットは素子数がある程度あると, 52個のすべてのパターンを学習し, 想起できることが分かった. しかし, 素子数が多いが学習がうまくいかないアルファベットパターンも あるために, 学習の成功には素子数の数だけでなく, そのパターンの特性の一つであるパターンの相関も 学習の成功に影響してくることが得られた.

相関の小さいランダムパターンと相関の大きいランダムパターンを学習させると, 相関の大きいパターンより, 小さいパターンの方が学習するスピードは 早い事が分かった. しかし, セット数が増えるにつれて 相関の小さい方が多くのパターンを学習していくようになった. このことと, アルファベットとランダムパターンの学習成功個数より, 学習させようとするパターンの相関が大きいか小さいかだけでなく, 相関のある程度のばらつきも学習に影響を与えることになると思われる.

また,逐次学習法を用いた学習での記憶容量Kは, ネットワークの素子数の70%付近であり,通常の連想記憶の15%という値と比べても かなり学習効率がいいことが分かった. しかし, その値もある程度の素子数までいくと 結合荷重の変化量である tex2html_wrap_inline1433 の影響を受けてくることがわかった.

謝辞

最後に本研究を進めるに当たり二年間を通して多大な御指導を賜わりました出口利憲先生に深く感謝すると共に,同研究室において共に学んだ今村豊治氏に厚く御礼を申し上げます.



Toshinori DEGUCHI
2004年 2月22日 日曜日 14時38分28秒 JST