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2.2 神経回路網研究の将来 [4]

近年、これらの研究を経て、訓練によってテキストを発音記号に、またそれを音声に変換したり、手書きの文字を認識したりすることができるようになった。他にも、さまざまな研究がなされているが、強調されるべきことは、これらのネットワークは、学習や想起に対する能力において、限界があるということである。この分野が信用を失い1970代の冬の時代に逆戻りしないためにも、ネットワークを改善するための多くの堅実な研究が要求が必要とされる。この分野がその十分な可能性を発揮することができるために新しい技術が開発されなければならないし、現行の方法を強化させ、理論的な基礎固めをしなければならない。

ニューラルネットワークは、戦場の戦略から赤ん坊の世話に至るまで広い領域にわたる課題に応用されている。可能性のある応用分野は、人間の知能が努力なしに機能する仕事や、従来のコンピュータには面倒で不適当であるような分野である。この応用の範囲は、従来の計算機によって提供されていた範囲と少なくとも同等である。したがって、ニューラルネットワークが伴侶として従来の計算機と同等におかれることになる。現在の理論の基礎は、このようなプロジェクトを支えるまでにはなっていないが、基礎研究の効果が急速に高まれば、このようなことも実現するだろう。



Deguchi Toshinori
1998年04月01日 (水) 17時09分52秒 JST