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3.1 ニューロンの構造 [3, 4]

   figure13
図 3.1: ニューロンの構造

ニューロンは神経系の基本構成要素である。図3.1に示すように、ニューロンは3つの部分、核が存在する細胞体、多くの枝からなる樹状突起(ニューロンの入力部)、能動ケーブルの役割を果たす軸索(信号伝送路)から構成されている。各部は異なった機能を有し、また、各機能は相補的である。タンパク質など細胞の活動に必要な物質は、細胞体の中で合成される。樹状突起は細胞体の表面から突き出ていて、人間の中枢神経系の細胞では、通常、1つの細胞体から数十の樹状突起が出ている。軸索は、細胞体からほぼ一定の太さで長くで伸びた1本の突起で、途中で数多くの枝分かれをもつ。

また、枝分かれした軸索の終末は、ボタン状の膨らみを作って他のニューロンか樹状突起に付着している。この付着している部分をシナプスと呼ぶ。1つのニューロンは平均して1000本、多いものでは数万本の軸索から信号を受けとるという。

ニューロンにおける信号の流れは、樹状突起が他の細胞からの信号を受け、そこから、細胞体に渡されて平均化され、次の細胞へ軸索を通じてパルスを送ると表せる。ニューロンのモデルは、ニューロンのもつこのような入出力関係を反映したものになっている。



Deguchi Toshinori
1998年04月01日 (水) 17時09分52秒 JST