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1ビットだけ値の異なる二つの2進数の性質

  論理関数の簡単化は、隣接する最小項を見つけ出し、非共通項を消去することによって行われる。 したがって、隣接する最小項をどのように見つけ出すかが重要である。 クワイン・マクラスキの方法は、表を使用して隣接する最小項を機械的に探し出す方法で、 計算機を用いてこれを行うこともできる。

下位からi番目のビットの値だけがことなる二つの2進数 tex2html_wrap_inline2085tex2html_wrap_inline2087 を考える。 2進数の各ビットは、“1”または“0”で構成されているから、二つの2進数 tex2html_wrap_inline2085tex2html_wrap_inline2087 を構成する“1”の数の差は1である。 また、 tex2html_wrap_inline2085tex2html_wrap_inline2087 を10進数 tex2html_wrap_inline2097tex2html_wrap_inline2099 に直したとき、二つの数の差は

  equation269


である。たとえば tex2html_wrap_inline2101tex2html_wrap_inline2103 とすると、 下位より3番目のビットの値が異なっており、 tex2html_wrap_inline2105tex2html_wrap_inline2107 であるから、 2数の差は

  equation281


である。

これより、下位より i 番目の1ビットだけ値の異なる二つの2進数の間には、次の二つの性質が存在する事が分かる。

  1. 二つの2進数を構成する“1”の数の差は1である。 
  2. 二つの2進数の差は、10進数で表すと、 tex2html_wrap_inline2111 である。 
この性質は論理関数の二つの最小項の隣接関係を調べるのに応用できる。

まず、最小項を構成している各変数を一定の順序で並べ、各変数が肯定の場合は“1”、 否定(補元)の場合は“0”を割り当て、これを2進数とみなす。たとえば、 tex2html_wrap_inline2113tex2html_wrap_inline2115 は二つの2進数 tex2html_wrap_inline2117 および、 tex2html_wrap_inline2119 で表される。

こうして表された2進数が、前記の性質##297>##298>を満たしていれば、二つの最小項は、 ただ一箇所変数が異なる隣接項となる。 tex2html_wrap_inline2117tex2html_wrap_inline2119 は“1”の数の差は1であり、二つの数の差は、 tex2html_wrap_inline2125 であるから、 tex2html_wrap_inline2113 および、 tex2html_wrap_inline2115 は隣接していることになる。



Deguchi Lab.