: モーフ
: Squeak
: Squeak
目次
Squeakとは、「パソコンの父」と言われるコンピュータ科学者、アラン・ケイ(Dr. Alan Kay)博士が中心となって開発されたSmalltalk環境のひとつである。Windows/Mac OSとも、UNIXとも異なる仕組みを持つコンピュータ環境であり、OS上で動く別のOSであると捉えることができる。Squeakも他のSmalltalk環境同様、環境記述およびデータ記述言語、およびユーザースクリプティング言語としてSmalltalk言語を使用できるようになっている。Squeakは、オブジェクト指向言語であるSmalltalkで記述されているという事実と、Morphicと呼ばれるGUI構築用フレームワークを採用してGUIを構成した事により、柔軟なシステムと直感的操作性を獲得している。よって、子供でも簡単に使用できる容易さを持ち、子供向けにソフトウェアの基本的な概念やシステムを作る際の発想法を、子供の発達段階を踏まえて無理なく修得させることができる。また、Squeakの世界では全てのものがオブジェクトである、という一貫性を持たせた事により、子供を現在の主流となっているオブジェクト指向開発言語のJavaやC++へのスムーズな理解と習得に導くことができる。Squeakは大きく以下のような要素を有している[2]。
- データだけでなく、アプリケーションやシステムも利用者が容易に変えられる柔軟な構造(オブジェクト化による一元管理)
- 安易に変えても致命的な障害を起こさない保護機能
- 改変により不具合が生じても元に戻せる安全機構(処理単位のログ機能、改変履歴、復帰機能)
- 子供でも簡単に使える容易さ。しかし、その子供が大人になっても使い続けられる本格さ
- 直感的操作が可能なGUI(オブジェクトの視覚化およびSqueak eToysの機能)
- 改変・追加された機能は環境のどこでも即座に使える普遍性および即時性(動的バインド、動的メモリ管理)
- システムの基本的な枠組みをも変えられるメタ機能
Deguchi Lab.
平成20年3月5日