研究紹介 (材料研)
材料研究室は、主に金属材料に関する研究を行っています。
現在の研究項目はつぎのとおりです。
○鋳造関連
鋳造は、鋳型に流し込むと製品が完成する優れた加工方法
で、大量に使用される部品には金型が使用されます。鋳造品が
鋳型の形状を精確に転写することが重要になります。
・銅鋳型の微小穴内におけるAlの凝固
鋳型の微小な穴に対する凝固Alの充てん率をパソコンの画
像処理により求めます。充てん率に及ぼす鋳造温度、穴の形
状の影響を検討します。
これまでの研究で、穴内のガスが大きな影響があることが
明らかになっています。
(研究論文)
@橋浦正史,西脇 純:水モデルによる鋳型微小穴における
充てんのシミュレーション、岐阜高専紀要、(2003)38,15.
・ダイカストの欠陥
ダイカストは鋳肌が美麗であり、精度もよく、さらに大量生産に
適した方法です。最近では自動車の構造材として利用されるよう
になりました。しかし、粗大α相、破断チル晶、ガス巻き込などの
欠陥が生じることがあります。
本研究室では、液滴、水モデルなどを用いて欠陥生成の機構等
を検討しています。
液滴を用いた研究方法は、溶射などの研究でも用いられて
います。本研究室では、金型表面における初期凝固現象が
鋳造品の表面性状に及ぼす影響を調べています。
なお、凝固したアルミニウムの試料はA,B,D型に分類される
ことがわかりました。
(研究論文)
@橋浦正史,金子優美:アルミニウム液滴の凝固後の形状
に及ぼす圧力の影響、鋳造工学74(2002)563
@橋浦正史,金子優美:アルミニウム液滴の凝固後の表面
形状に及ぼす落下高さの影響、鋳造工学75(2003)255
○組織解析
本研究室では、結晶粒度、鋳鉄の黒鉛形状などをパソコン
で画像処理する研究を長年続けてきました。処理プログラム
はすべて本研究室で開発してきました。
・第2相の3次元画像構築
金属は不透明体であるために、鋳鉄中の黒鉛、鋼などの
合金中の炭化物、介在物などを3次元で観察することは不
可能です。
本研究室では、複数の金属断面から第2相の3次元画像
を構築し、第2相の形状が機械的性質に及ぼす影響を検討
します。
・3次元画像構築法を用いた球状黒鉛の定量化
3次元画像構築法を用いて、球状黒鉛の直径の算出、
分布などを調査します。
2次元の球状黒鉛の半径又は直径から3次元の半径又は
直径の分布を推定する方法は提案されていますが、実際に測
定したという報告は見当たりません。
(研究論文)
@橋浦正史,片岡悠司:球状黒鉛の3次元画像構築、鋳造工
学74(2002)193
A 橋浦正史,西脇篤史,片岡悠司:球状黒鉛鋳鉄における黒鉛
の3次元形状係数、76(2004)5月号掲載予定
構築した球状黒鉛の3次元画像(カラー化)
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岐阜高専科学技術相談室のページもご覧ください。
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