養老天命反転地・反転地オフィス

従来の公園とも、建築とも呼びがたい独特の施設。芸術家の荒川修作と夫人で詩人のマドリンギンズの構想と岐阜県が進めている”心のテーマパーク”としての公園整備の考えが一致し、この施設が実現しました。

施設全体を芸術作品ととらえて、デザインがされています。テーマは天命を反転させることができるそのための実験の場とされてていて、アンバランスであることで定点が崩れ、新しいものが生まれる、常識を覆すことで新しい見方を発見することがねらいとされています。

また、養老天命反転地記念館−養老天命反転地オフィスが隣接しており、反転地と同じく常識や、道徳などの"制度"を解体しようとする試みが行われています。

所在地:
設計者:
用途:
建築年:
備考:
養老郡養老町高林1298-2
荒川修作 マドリン・ギンズ/コンテナーズオブマインドファンデーション 車戸建築事務所
公園
1997年

敷地は大きくすりばち状にくぼんでおり、「極限で似るものの家」と「楕円形のフィールド」の2つから形成されています。

楕円形のフィールドには極限で似るものの家を分割したパビリオンが点在し、さらに対をなす丘とくぼみ、148の回遊路、大小の日本列島が形成されています。

バランスを崩す事を意図としている為、どこにも水平な場がなく、訪れた人は、転んだり、壁を乗り越えたり、四つんばいになったりと様々な行為を体験できる様になっています。その為、怪我をしてしまう人もいて、当初の意図と利用者の安全確保の兼ね合いが難しく、雨天等は閉園しています。

(調査:平成13年度2年建築学科 西敬之)