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ユーザ工学における定義

ユーザ工学とは、マーケティング、品質管理と並んで、製品の魅力を高める為の「使い勝手」 を考えた製品開発を提供するものであり、メディア教育開発センター教授の黒須正明氏が 代表的提唱者である。[2]

ユーザ工学は、実用的な受容可能性の中の有用性(usefulness)を目標としている。 これは、日本語の「使い勝手」という言葉に対応するとされており、 この有用性の中に含まれている特性の内のひとつがユーザビリティなのである。 有用性を構成するもうひとつの要素はユーティリティであり、これは、製品の機能や性能に対応している。 これは上記で紹介しているNielsen氏の考え方がベースになっている。

黒須氏によれば、ユーザビリティ問題には三つの側面があり、 一つは、機器の操作、すなわち人間の出力系に関係した側面、 もう一つは機器の認識、すなわち人間の入力系に関係した側面、 そしてあと一つは機器操作にまつわる人間の内部状態に関係した側面であるといえる。 要約すると、操作性(取り扱いのしやすさ)、認知性(わかりやすさ)、快適性(心地よさ)ということである。

従来の製品開発はユーティリティ重視になりがちだが、人間中心設計の考え方の広まりや、製品の機能飽和、IT化の流れがユーザビリティへの注目を高める要因になっている。



Deguchi Lab. 2014年2月25日