これらの結果から、入力パターンの要素を固定することで、その固定した要素に対応したネットワークのニューロンが、無いに等しい状態になっていると考えられる。
よって、5.4.1節から、パターン同士が似ている方が学習が成功しやすいという見解が得られたが、
それは必ずしも正しいとは言えないということが分かる。
全ての入力パターンで要素を固定すると、パターン同士がいくら似ていても本実験のように学習能力が低下してしまうからである。
これは、固定した要素に対応したニューロンの出力が1か
に近い値で固定されてしまうことが原因であると考えられる。そのように出力が固定されると、入力パターンを想起する際に、そのニューロンではどのようなパターンを想起するべきかの判断ができない。つまり、その他のニューロンのみでその判断を行うことになるため、固定した要素に対応したニューロンは無いに等しい状態になっていると考えられる。