グラフ上の濃い点が適切な組み合わせである。その適切な組み合わせは、全部で514組存在し、図 5.9のように
軸方向に細く広がっている。よって、
の範囲は広いが
の範囲は狭く、
の値の設定はより重要であると言える。その一方で、互いの組み合わせによっては学習成功パターン数が0となる場合もあり、
と
の双方の値を適切な組み合わせに設定することも重要であることが分かる。
また、その適切な組み合わせの広がりを見る限り、それらはさらに小さい値にも存在し、その組み合わせを設定することで更なる学習の向上を図れることが予想できる。
以上の結果を踏まえ、5.7 節に示すパターン
の、より小さな設定値で実験を行った。その結果、最大完全学習数は149となった。その際のグラフを図 5.10に示す。
グラフ上に濃く示してある適切な組み合わせは、1479組となった。その適切な組み合わせの点は
軸方向に広がった。
パターン
においても、
と
の適切な組み合わせの値の下限が確認できず、さらに小さい値を設定することで学習の向上を図れることが予想できる。
以上のパターン
の結果を踏まえ、5.7 節に示すパターン
の、さらに小さな設定値で実験を行った。しかし、こちらでも最大完全学習数は149のままとなった。その際のグラフを図 5.11に示す。
設定値を小さくしても、図 5.11のようにパターン
の図 5.10と同じような傾向を示した。グラフ上に濃く示してある適切な組み合わせは2494組となった。
今回のパターン
においても、
と
の組み合わせの下限は確認できなかった。
上記の3つのパターンの設定値で実験を行った結果より、
と
は
より小さな値の方が学習の向上につながることが考えられる。
また、パターン
においても適切な組み合わせの値の下限を見つける事ができなかったことから、設定値の減少による学習の向上効果は飽和している可能性がある。
これは、カオスニューロンの内部状態を更新し学習を行う上で、
及び
の値に関してそれぞれ
〜
、
〜
の値以下にしても、これ以上の効果がないからだと考えられる。
つまり、設定値をある程度まで減少させた後は、
と
の適切な組み合わせを見出すことが学習を行う上で重要であるといえる。