いくつかのパターンを学習させたカオスニューラルネットワークを 外部からの入力を与えずに動作させ続けると、 ネットワークは学習した中のいくつかのパターンを不規則に出力(想起)していく。 この現象を動的想起と呼び、ネットワークが動的想起を示すとき ネットワークは動的想起状態にあるという。
動的想起が起こり得るのは、カオスニューロンの不応性項のためである。
自己相関連想記憶からの通常の想起が、外部から入力を与えて出力させる、 つまり、このパターンを(あるいは、これに似たパターンを)知っているか、と訊かれて 答えるようなものであるのに対して、 動的想起はいわば、勝手に思い出しているというような状態である。
個のカオスニューロンにより構成されたカオスニューラルネットワークに、
A、B、Cの3つのアルファベットの2値パターン(2値をそれぞれ黒と白により表している)を
学習させた後の動的想起の様子を図 3.1に示す。