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2. 学習方法

内部記憶を持つ形状のネットワークで曲を学習させる際に教師信号として用いる値は, 曲中の各音符の持つ音の高さ,音の長さという2つの値を使用する. しかし教師信号の個数自体の少なさと, 音符という情報の時間的な違いの出にくさのため, 音の情報のみで時系列全体をネットワークに学習させることは難しい. そこで本研究では内部記憶を持つネットワークに時系列を学習させるために次の2つの方法を用いた.

1つ目は初めに内部記憶部分をフィードバックさせず, 内部記憶層にも教師信号を与えて学習を進め, 誤差が充分小さくなった後に図2のように フィードバックさせるようにネットワークを結合させて 内部記憶部分をつくり再び学習を進めるという方法である. 2つ目は図2のネットワークで 現在の音の値以外に過去の音符の値を数個入力して, それぞれの次の音を出力するように教師信号を与えて ネットワークへの学習の影響を大きくするという方法である. これらの学習過程で,充分学習できているという判定基準は, 音の高さ,長さに関する出力値が間違った量子化をされない程度まで誤差が小さくなっている, かつ第1音の内部記憶部分が1周期だけ想起させた際に再び同じ値になっているという 条件を満足していることとする.



Deguchi Toshinori
Thu May 16 12:34:03 JST 2002