この手法は 教師信号と想起された曲または内部記憶素子の出力を比較するために用い, それぞれの曲の相関を求める手法である.
相関とは 2つの波形がどのくらい似ているのか(関係があるのか)を示す尺度であり, 時系列などの相関性を調べるために相関関数が用いられる.
その算術式を示す.
2つの離散的な値を持つ不規則変動を x(t) ,y(t) とすると,
その相互相関関数 は,
で定義される. r はラグと呼ばれる y(t) の時間軸上の平行移動を示すパラメータである. この式を見てもわかるように, x(t) と y(t) の積の総和をとることによって 2つの変動が似ているかどうかを判断している. ある r のときに2つの変動が似ていれば, x(t) と y(t+r) の積 x(t)y(t+1) が正か負のどちらかに多く分布し, その総和が大きくなるのである. また,自己相関関数を求めたければ y(t+r) を x(t+r) にすればよい.