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結論

本研究では、カオスニューラルネットワークにおける逐次学習法を使用する際、 入力パターンにノイズが無く、 時間減衰定数を考えない場合に、$\alpha $ $\mathit {\Delta } w$の変化が 学習結果にどのような影響を与えるのかを研究した。 時間減衰定数を考えなくても良いならば、カオスニューラルネットワークの 内部状態である外部入力の項、相互結合の項、不応性の項を表す式でそれぞれ 時間減衰定数を省くことができるようになる といったメリットがある。 さらに適切な$\alpha $ $\mathit {\Delta } w$をカオスニューラルネットワークに与えることができればより効率が良い学習を行えるようになる。

研究結果から、カオスニューラルネットワークの時間減衰定数以外のパラメータで ある$\alpha $ $\mathit {\Delta } w$を変化させることでパラメータの最適値を求め、 時間減衰定数を$0$にした場合の学習結果を向上させることができた。 今回の研究に用いた入力パターンでは$\alpha $$0.245$ $\mathit {\Delta } w$$0.00010$の近辺で最も学習の効率が良くなり、最大完全学習数$162$を得ることが できた。

研究で得た最も学習の効率が良くなった$\alpha $ $\mathit {\Delta } w$の 組み合わせが他の入力パターンでも最も学習の効率が良いのかの確認を行った結果、 効率が良いものであることは確認できたが最大効率とは限らないことがわかった。 このため本研究で求められた$\alpha $ $\mathit {\Delta } w$の組み合わせは、あらゆるパターンに対して最適であるわけでは ないことが分かった。 この結果から入力パターンによって$\alpha $ $\mathit {\Delta } w$による 学習効率は変わることが分かった。 さらに時間減衰定数を考えない場合の学習効率は時間減衰定数を考える場合より高く、より多くのパターンを学習できることが分かった。

しかし、別の入力パターンとして用いたのは1組なので、学習効率は入力パターンによっては低くなる可能性もある。そのため、今後は複数の入力パターンを用いてこれを検証する必要がある。

謝辞

最後に本研究を進めるに当たり、一年間を通して多大な御指導を賜わりました 出口利憲先生に深く感謝するとともに、共に学んだ、勝股翔太氏、森下真敬氏、 渡辺真広氏、副査の田島孝治先生に厚く御礼申し上げます。



Deguchi Lab. 2013年2月28日