ネットワークが記憶したパターンを出力する現象を想起するという。いくらかのパターンを学習させたカオスニューラルネットワークを外部から入力を与えずに動作
させ続けると、ネットワークは学習したパターンの中からいくつかのパターンを動的に想起し出力
していく。カオスニューラル
ネットワークの特徴の一つに、動的想起というものがあげられる。動的想起とは、出力が収束せず、
記憶したパターンを含む様々なパターンを出力する現象である。
ネットワークが動的想起を示す時、ネットワークは動的想起状
態にあるという。動的想起の原因には、カオスニューロンに含まれる不応性が挙げられる。
本研究の主目的である記憶検索では、この動的想起状態を利用することで、目標としているパタ
ーンを見つけ出す。
例として、A,B,Cの形を順に学習させたカオスニューラルネットワークの動的想起の状態を、
Figure 3.2に示す。Figure 3.2より、
までは最後に学習したCを想起し続け
ているが、次のステップからは形が崩れ始めているのがわかる。また、
から、学習したパ
ターンであるBを想起していることがわかる。このように、学習したパターンを入力を与えられず
に動的に想起する現象が、動的想起である。[4]
図 3.2:
Dynamical Recollection
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Deguchi Lab.
2017年3月6日