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目次
現在、学術用語としても用いられるようになってきた「eラーニング」という言葉にはこれといった
定義は存在しない。頭文字eは
``electronic''電子的な)をという意味をもち、このためeラーニングは
「コンピュータを用いた電子的な学習」であると定義できるように思えるが、これでは意味が
広すぎて明確化ができない。実際のeラーニングの定義には様々なものがある。例えば植野氏[1]
は、以下のように定義している。
eラーニングの定義 |
- 広義の定義 インターネットを用いたすべての学習
- 狭義の定義 LMSにマネジメントされたWeb上の学習
|
広義の定義によるとeラーニングでは、eメールで誰かに何かを教えてもらうことや、公開されている
Webページを検索しながら、情報を収集し、自習することも含まれる。しかし、一般に学術的に
eラーニングという言葉を用いる場合、後者の狭義の定義が用いられる。この定義では、特に
LMS (learning management system) と呼ばれるシステムを用いてWeb上で掲示される教材を
学習したり、ネットワーク上の掲示板システムを用いて複数の学習者どうしが共同で問題解決や
議論を行ったりする学習形態をeラーニングと呼ぶ。
eラーニングは一斉授業や集合研修の単なる
近似ではない。もちろん、一斉授業や集合研修で講師が話した様子を録画したビデオを単にWebで
配信すればよいのではない。これでは、教科書を電子化しただけで独習と変わらない。最新の学習理論の
なかでとらえられたeラーニングは、地理的に分散した学習者集団によって構成された学習共同体の
生産的に自立的な協調的活動である。
このような意味で、eラーニングとは、単なるテクノロジーを
さすのでなく、新しい学習理論や哲学を含んだ最新の学習形態のことを意味している。つまりeラーニングが
これら新しい学習理論のもとで大きな潜在能力を発揮する可能性があると考えられる。
Deguchi Lab.
2015年3月4日