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序論

現在、親が経営する塾でよくこのような声を耳にする。「覚えたはずの単語を忘れてしまった」 「学習した文法で和訳や英訳がうまくいかない」「発音記号わかるのに発音ができない」などである。 これに加え、リスニングやライティングがなかなかできないという声も聞く。これらの悩みを解消すべく、 この塾ではテキストを使った学習方法に加えインターネット教材なるものを組み合わせて英語を教えるという 動きがある。

この塾では少し特殊な方法で小学生から大学生という幅広い層に英語を教えている。ここで小学生への 対応を例にあげよう。基本的には塾で用意された教材を使用して、単語と短く簡単な英文を覚えさせた後、 塾内のMac, iPadルームなるパソコン室に移動してネット教材「児童英検」を使って学習する。 この「児童英検」では大きく分けて2つの項目があり、それは「ドリル&ゲーム」「もぎテスト」である。

児童英検ではまず最初にリスニングを行う。このリスニングというのは画面上に表示されている 「絵」を押して再生される単語を聞き取るというものであり、生徒たちは自分が覚えるまで何度も 繰り返しリスニングを行う。自分が納得したもしくは覚えた自信があると思った時、学習した単語を 確認するための模擬試験を行う。この試験では画面上に覚えたはずの単語とそれに合うであろう 「絵」と単語の意味と結びつかない「絵」が複数枚用意されており、生徒たちは正しいものをを 選ぶ必要がある。

このコンテンツは低年齢層を対象に作成されたものであり、子どもたちがたとえ、言葉が読めなくても コンテンツが学習できるUI設計になっていおり、非常に操作がしやすくかつ楽しいものになっている。

この「楽しく」学べるということが大きなメリットになっているようで、生徒たちが自ら進んで英語を 学習するようになったと親たちから意見を頂いている。

インターネット教材のメリットはテキストとは違い、音声、画像、アニメーションなどを組み合わせて 「実際に動く」教材が作成できることであり、これにより様々な人の興味を引くことができ、学習へと つなげることができると考えられる。何よりも英語学習で必須であるヒアリング、つまりCDを再生して 英語を聞いて学ぶという方法に変化をもたらしたのである。現在、ネット上には様々な分野学習用の ネット教材が存在している。Brain Popというアメリカ教材は数学や物理はもちろん、音楽史、工学、 金融など幅広いコンテンツを扱うものもある。そこで自分は、「翻訳」専門の英語教材を作成しようと考えた。 技術者として大事なのは何か、 それを考えた時、思い浮かんだのは、まず英語で表記されている技術書、英論文といった情報を日本語に 変換すること、自分の開発したものを英語に表記し直し、伝えることだと考えた。

自分の経験より実践的に英語を覚えるには単語や文法と言った「技」だけを習うのではなく、例文や長文を ひたすらに読むことが一番の近道だと考える。なぜなら元々言語は聞いて覚えて自分で使うもので あると思ったからだ。そこで本研究では例文を駆使した英語コミュニケーション教材を作成しようと考えた。

 Adobe社のeラーニングコース作成ソフトCaptivateを用いることで、例えば、ユーザーがボタンを クリックすると、画面が変化するような、インタラクティブなコンテンツを作成することが可能である。 Captivateにより、ユーザーが操作可能な英語教育用コンテンツを作成し、そのコンテンツを何人かに 利用してもらい、そのコンテンツに関する評価アンケートを行う。



Deguchi Lab. 2015年3月4日