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目次
現在では、英語能力なしでは研究を進めることは事実上不可能である。日常的に読み書きする論文は
英語であり、国際学会でなくても日本国内の学会でも研究内容を英語で発表する機会が増えてきている。
外資系企業では当然のことであるが、日本の企業でもビジネスチャンスを逃さないためには専門知識を
持った人が英語で交渉する必要性が高まっている[5]。外国のVB企業などから新技術の売り込みは多く、
いちいち通訳を介していたら大変である。しかし、彼らは読み書きについては中学校で3年間、高校で
3年間、大学で4年間に相当する英語の教育を受けているにもかかわらず、英語論文を読みこなすには最初に
ある程度の時間と努力を必要とする。元技術英語教師の父いわく、学生らが最初に書く英語論文は
驚くほど稚拙であり、英語での会話、つまりコミュニケーション能力は惨めなものらしい。
英語によるコミュニケーション能力が重要なことは技術者に限らない。国際的なビジネスに直接
関係しなくてもインターネット等の発達により窓口は常に世界に繋がっており、スポーツの世界でも
国際交流は盛んである。書店には英語に関する書籍がかなりのスペースを占め、パソコンソフト、
英会話教室、さまざまな英語教材が巷間に溢れている。しかし、こうして人々が英語能力の必要性を
実感しているにもかかわらず、全体的にはあまり進歩していないように感じる。先ほど述べた学習時間を
使っても実践能力が身に付かないので、現状の英語教育を批判する声も挙がっている。
Deguchi Lab.
2015年3月4日