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: カオスニューラルネットワーク : ニューロンとニューラルネットワーク : ニューラルネットワーク   目次


ニューラルネットワークの協調と競合

脳において、情報は多数のニューロンによって並列的に処理されている。並列情報処理系では、各素子に上から命令を与えているわけではないが、各素子が相互に作用を及ぼし合いながら、全体として意味のある情報処理を進めていく。この情報処理の原理として考えられるのが、協調と競合である。このとき、互いに矛盾しない情報を有する素子同士は、相互に協調してその情報を保持しようとする。一方、互いに矛盾した情報を有する素子間では競合が起こり、その結果どちらか1つの情報のみが選び出される。 これを2つのニューロンモデルを結合した例で考えてみる。$w>0$(興奮性シナプス)であるとき、一方のニューロンが興奮すると、接続されたニューロンも膜電位があがり興奮しやすくなる。そのため、2つのニューロンは同時に興奮状態になりやすい。これを、ニューロン間の協調作用という。また、$w<0$(抑制性シナプス)であるとき、一方のニューロンが興奮すると、接続されたニューロンの膜電位は下がり、興奮しにくくなる。つまり、この2つのニューロンは同時に興奮しにくく、どちらか一方のみが興奮する。これをニューロン間の競合作用という。



Deguchi Lab. 平成21年3月6日