表中の記号は 平均誤差が1℃以下のときを“0”、1℃より大きく1.25℃以下を“1”、1.25℃より大きく1.50℃以下を“2”、 1.50℃より大きく1.75℃以下を“3”、1.75℃より大きく2℃以下を“4”、2℃を超えるときを“5”とする。 また、学習中に非数になり、結果が出力できなかった場合は空白とした。
図6.1、図6.2、図6.3 に学習後の気温の予測値を教師信号と共に示す。 図に記載してある遅れ時間が違うのは、それぞれのサンプリングデータ数において 平均誤差が一番小さいときのものをとったためである。 また、サンプリングデータ数が6、8の場合もサンプリングデータ数が4の時と同様の予測値になった。 予測値と教師信号はそれぞれ離散的な値だが、 ここでは予測値がどれだけ教師信号に近づいているかを 分かりやすくするため、あえて折れ線グラフにしてある。
表6.1から、サンプリングデータ数が2では6を除く遅れ時間、 サンプリングデータ数が3では2、5、7の遅れ時間について 1.75℃より大きく2℃以下の平均誤差であることから、 わずかではあるが気温予測が出来ていると言える。 しかし図6.1、図6.2から、 急激に気温の変化がある部分には 教師信号より高い気温や反対に低い気温が予測され、 正確な予測が出来ていないことが分かる。 サンプリングデータ数が4以上ではどの遅れ時間でも 平均誤差が2℃を超え、学習が失敗している。 図6.3 を見ても予測結果は教師信号からかけ離れ、全ての教師信号の 平均を辿るような予測値となった。 教師信号の平均値が4.59℃であるのに対して、遅れ時間1での予測値はすべて4.57℃という値だった。
また表6.1から、平均誤差の範囲が遅れ時間によって変化していることから、 遅れ時間は学習後の予測値に影響を与えていると考えられる。 昨年の実験では、簡単な時系列において学習が成功するとき、 サンプリングデータ数が3の場合は遅れ時間が2と5と8であったが、 本実験では遅れ時間が2と5では学習は成功しなかったが 平均誤差が他の遅れ時間より少なくなる傾向が見られた。 同様にサンプリングデータ数が4の場合、昨年の実験では学習が成功する遅れ時間は3と7であったが、 本実験ではその傾向は見られなかった。 他のサンプリングデータ数についても、 平均誤差が小さくなるときの遅れ時間とサンプリングデータ数との関係は見られず、 昨年と同じ結果は得られなかった。