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考察

この実験では第 7.5章でも行ったニューラルネットの分割についての実験だが、特に分割数が3のときの学習誤差の減少の仕方がとても速いという結果になった。 この速度の向上は、以前と比べてより多くのニューロンが学習に関わったためインデックスパターンごとに評価値の学習ができたのではないかと考えられる。

ところで、図 8.7を見るとどの折れ線も1手ごとに誤差が上下しているのがわかる。 これはおそらく、自分の手番では良い手を打ち、相手の手番では自分にとって悪い手を打たれるため、学習誤差に上下の振動が発生すると考えられる。 これは学習が進んでいない状態であるほどより正確な予測がなかなか出来ず、結果としてこのような振動が発生していると考えられる。 学習が進むことによりより正確な予測が出来るようになるため、この振動は減少していくと考えられる。

分割数が1のときを除けば、全体的に中盤30手までは誤差が徐々に減少しているが、それ以降になると減少がほとんど止まり、おおよそ一定値のままとなっているのが分かる。 30手以降というと盤面上では中央4*4がほぼ埋まり、角 tex2html_wrap_inline2075 付近に石が置かれ始めるころである。 その角付近の評価が甘いから評価値があまり減少していないのかもしれない。



Deguchi Lab.