next up previous contents
Next: 参考文献 Up: 無題 Previous: 4.4.3 自己ループ実験

第5章 結言

本研究では,離散時間モデルのニューラルネットワーク及び 内部記憶を持つニューラルネットワークにバックプロパゲーション法を用いて 気温変化を学習させ,予測をさせた。

内部記憶を持つニューラルネットワークの気温予測は,前日の最高,最低気温しか 入力していないのにも関わらず,学習をしていない年,地域においては 通常の階層型ニューラルネットよりも良い結果となった。 また1日ごとの誤差において,季節が変化しても誤差の大小は均等であった。 そして内部情報を見てみると,値が季節にともなう変化を見せており, 自己ループ実験では,記憶した冬,春秋,夏の三つの状態を 入力の気温変化から遷移させていることが分かった。

このような結果から,内部記憶を持つニューラルネットは 季節による温度変化を学習,記憶できており, 気温予測に適していると考えられる。

しかし,第4章の最後でも述べたように, 状態を記憶するまでの学習回数と, 未学習年の予測に支障がない学習回数との兼ね合いの問題が生じる。 やはりこの問題の解決には,多くの学習データが必要となるであろう。 また,未学習年の気温予測は条件が良くても 平均誤差が3を切ることはなく,実用性に欠ける。 気温予測の精度をもっと良くするためには, 入力は気温だけでなく,湿度,天気など 多くのデータの入力が必要であると考えられる。

謝辞

本研究を進めるにあたり,2年間多大な御指導を頂きました 出口利憲先生に深く感謝いたします。また,同研究室専攻科卒業生の 柘植章博氏,専攻科生の浅川新也君,山田博久君,本科生の 國枝博希君,畑中誠君,保木一樹君,山田樹一君 に感謝いたします。



Deguchi Toshinori
Tue Feb 23 15:28:33 JST 1999