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ニューラルネットッワークにおける学習[9]

生物の神経系において脳は過去の経験を記憶として蓄え、これを活用して処理を行なう。 さらに、自己の動作をより適切なものへと変化させていく。 このように自身の構造をより適切な状態に変化させる事を学習と呼ぶ。脳は多数のニューロンからなるネットワークによって構成されているため、 脳の特性の変化とはニューロン間の相互結合の結合の強さを変換させる事で実現する。 結合の強さの変換というのは具体的には、結合を断ち切ったり、新しい結合を作成したりする事を指す。

そして、ニューラルネットワークにおける学習とはニューロン間のシナプス結合を変化させ、 次に同じ入力がされた時に素早く想起できるようにすることである。学習を行なう上で学習の指針として、 ある入力に対して回路網が出力をするべき望ましい出力を外部から与えられるときがある。 この外部から与えられる信号を教師信号と呼ぶ。 学習は教師信号の有無によって 2種類に分類する事が可能である。この説明は次節で行う。

本研究では、ヘッブの原理を元にニューロン自身が内部状態だけで学習を進めるか判断をする逐次学習法を用いてパターンの学習を行なう。 ヘッブの学習法では協調・競合作用を用いて学習を行なう。 この学習法はニューロンに刺激を与えた、すなわち興奮に寄与したシナプス結合を強めるという学習である。 また、二つのニューロンと一つのシナプスだけの純粋な局所的現象であり、ニューラルパターンをつくり出すためにフィードバックシステムは必要としない。

本研究では、この学習法を元にシナプス結合している二つのニューロンがともに興奮、 もしくは静止しているときシナプス結合を強め、片方が興奮しもう一方が静止しているときは結合を弱めて学習を行なう。



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Deguchi Lab. 2013年2月28日