next up previous contents
Next: ニューラルネットワークの種類 Up: ニューロンとニューラルネットワーク Previous: ニューロン   目次

ニューロンモデル[1]

生体のニューロンが有する性質のうち、多入力による荷重特性と発火の閾値作用に着目して工学的にモデル化したものを図2.2に示す。 これはマッカロ(McCulloch)とピッツ(Pitts)が提案したニューロンモデルである。

図 2.2: ニューロンのモデル
\includegraphics[scale=1.2]{eps1/neuron_model.eps}

この図の$x_i$は対象となるニューロンの$i$番目の入力であり、0または1のパルス入力である。 $w_i$は結合荷重と呼ばれ、シナプス結合の強さを示す。 $\theta$はニューロンに対する閾値であり、ニューロンの電位がこれを超えるとニューロンは発火する。 また、$y$は出力である。 このニューロンモデルの作用は以下の式で表すことが出来る。


\begin{displaymath}
u=\sum_{i=0}^{n}w_i x_i -\theta
\end{displaymath} (2.1)


\begin{displaymath}
y=f(u)
\end{displaymath} (2.2)

式(2.1)で、$u$を膜電位又は内部ポテンシャルと呼ぶ。 この式は、ニューロンが$i$番目の入力を受けて$x_i=1$になると、ニューロンの膜電位が$w_i$高くなることを表す。 この時、$w_i>0$ならばそのシナプス結合は興奮性、$w_i<0$ならば抑制性、また、$w_i=0$ならばシナプス結合は成されていないことになる。 $\theta$は閾値であり、各入力にシナプスの重みを掛けた荷重和 $\displaystyle \sum_{i=0}^{n}w_i x_i$がこの値を超えた時に$u$の値は正となり、ニューロンが興奮する。 このモデルでは、入力と出力は共に0と1の離散的な値である。 式(2.2)の出力関数は以下のように与えられている。


\begin{displaymath}
f(u) = \left\{
\begin{array}{@{ }ll}
1 & \mbox{($u > 0$)}\\
0 & \mbox{($u \le 0$)}
\end{array} \right.
\end{displaymath} (2.3)

この関数は階段関数であり、図2.3のようになる。

図 2.3: ニューロンの出力関数(階段関数)
\includegraphics[scale=1.6]{eps1/step.eps}

マッカロとピッツのモデルは離散的な入出力であるが、連続的なモデルを考える場合はシグモイド関数と呼ばれるものを出力関数とすることが多い。 シグモイド関数として有名なものに式(2.4)がある。


\begin{displaymath}
f(u) = \frac{1}{1+\exp(-u)}
\end{displaymath} (2.4)

このシグモイド関数の特性は図2.4となる。

図 2.4: シグモイド関数
\includegraphics[scale=.8]{eps1/sigfunc.eps}



Deguchi Lab. 2013年2月28日