ここでは、 学習結果の比較・検討方法の説明をする。 比較は、学習結果が教師信号からどの程度離れているかを調べることによって行なう。 その具体的な方法を以下に述べる。
学習させたニューラルネットワークに初期値として学習させた直後の教師信号を与える理由は、 カオスアトラクタの一度通った点は二度と通らないという特徴を考えると、 学習直後の教師信号を初期値で与えれば、 まだ学習を行なっていない未知の点についてその学習効果を確かめることができるためである。 即ちこれは、 ニューラルネットワークがカオスアトラクタの点を学習しているのではなく、 式のダイナミクスを学習しているかどうかを確かめるということになる。
また、
ネットワークの出力と教師信号の誤差は、
ある時間 t における写像の中にあるその距離を考える。
この誤差(距離)を とし、ネットワークの出力を x(t)、y(t)、
教師信号を
、
とすると
となる。
グラフは、
t を横軸、
誤差の累計 を縦軸にして描く。
は次式によって表される。
この ER より、 どれだけの点の位置を学習できているか、 即ちどの程度式のダイナミクスを学習できているかが分かる。