ある地点での観測データのみで天気を予測するためには その地点の観測データからその日の天気のパターンを作り出す必要がある。 このパターンを作り出す作業は3.6節より 自己組織化マップにその地点の過去の観測データを全て入力し、 学習を繰り返せばよい。また、学習と同時に自己組織化マップは 量子化誤差の少ないベクトル量子化を暗示的に行なっているので、 予測の段階での計算が複雑になるのを防ぐ働きもある。
自己組織化マップにより作成した天気のパターンを分類したマップを利用し 翌日の気象の予測を行うマップを作成する。 このときも同様に自己組織化マップによる学習を行う。
翌日の気象の予測を行うマップの作成では、自己組織化マップの勝者ニューロンの選択を行わず、 天気のパターンを分類した結果を用いる。 勝者ニューロンの選択の代わりに、図4.1のようにある日の翌日の気象を学習させるとき、 パターン分類されたマップのその当日のニューロンの位置に対して学習を行う。
この方法を用いることにより、パターン分類された気象の翌日の気象の学習を行う。 パターン分類された翌日の気象を学習することにより、似たような気象の翌日が どの気象になりやすいか学習することができ、 それにより翌日の気象を予測することができる。 この方法を用いると、 パターン分類されたマップの今日の気象のニューロンの位置と 同じ位置の翌日の気象のニューロンを調べることにより、 翌日の気象の予測をすることが可能である。 またこの方法を用いることで、気象予測を行うとき常に翌日の気象予測は 一つのニューロンのみを選択することができ、複数のニューロンの中から一つを選び出す必要がない。