************************
       *                      *
       *    FFT波形解析プログラム      *
       *    (FFTC.BAS用)       *
       *                      *
       *     取扱説明書 Ver 4.0    *
       *                      *
       *    平成8年12月11日(所研究室)  *
       *                      *
       ************************


  ☆.目次                     P.1
  ☆.プログラムの概要               P.2
  ☆.プログラムの起動と終了            P.2
          ・プログラムの起動        P.2
          ・プログラムの終了        P.2
  ☆.コマンドの入力法と特殊キ−の説明       P.3
          ・コマンド選択の入力法      P.3
     ・「ヘルプ(HELP)キ−」について       P.3
     ・「ファンクションキー」について      P.3
  ☆.機能説明                   P.4
     ・「1.FFT」              P.4
     ・「2.逆FFT」             P.4
     ・「3.デ−タ保存」            P.4
     ・「4.データ読込」            P.5
     ・「5.可変長読込」            P.5
     ・「6.データ編集」            P.5
       6-1)時間軸デ−タの作成        P.6
       6-2)時間軸デ−タの規格化       P.6
       6-3)周波数軸デ−タの変更       P.7
       6-4)デジタルフィルタリング      P.7
       6-5)デ−タの伝達関数による処理    P.8
     ・「7.グラフ表示」            P.8
     ・「8.デ−タ複写」            P.8
     ・「9.デ−タ拡大」            P.9
     ・「Z:修正」               P.9
     ・[A&X:伝達関数表示&計算」      P.9
  ☆.操作例                    P.10


       ***** プログラムの概要 *****

 本プログラムは、8チャンネルのFFT波形解析プログラムです。1−8の各チャンネルに1KWord(1Word=16bit)の波形デ−タを読み込み、FFT,逆FFTをはじめ、2チャンネル間の伝達関数の計算と表示、デジタルフィルタリングなど数多くの機能を有しています。

 学生実験などにおける任意の波形の時間領域デ−タとスペクトルデ−タの関係の理解だけではなく、測定系の入出力間の伝達関数による波形処理など、市販のFFTアナライザには無い多くの便利な機能を有しています。

 一通り目を通した後に、P.9〜10の操作例に従って実行してみて下さい。

***** プログラムの起動と終了 *****

●プログラムの起動

 パソコンの電源スイッチを押して、電源をいれます。

 次に、「FFT波形解析プログラム」と書かれたラベルの貼ってあるフロッピ−ディスクをパソコンのフロッピ−ディスクドライブのAドライブに、「データディスク」と書かれたラベルの貼ってあるフロッピ−ディスクをBドライブに、ラベルの貼ってある面を上にして入れます。

 続いてリセットスイッチを押し、しばらくすると、伝達関数(注)のファイル名を入力する画面になりますが、ここではリタ−ンキーを押して下さい。すると、画面上にメニュー画面が現れ、これで、起動は完了しました。

●プログラムの終了

 ヘルプキ−を押して、主メニュ−画面に戻ります。

 ここで、"0”を押して「0.終了」コマンドを選択します。すると、終了してもいいか確認しますので、本当に終了してもいいのなら、”Y”または、リタ−ンキ−を押します。するとプログラムは終了します。もし、終了しないのであれば、”N”を押すとプログラムがそのまま継続できます。以上の手順で終了させて、メニュ−画面が消えて画面上にMS-DOSのプロンプト「>」が表示されれば、プログラムの終了作業が完了しました。

(注)伝達関数について

 本プログラムは、起動時にあらかじめ評価しておいた伝達関数(入出力間の振幅・位相の周波数特性)を読み込み、この伝達関数に従った波形処理を実行することが可能です。振幅・位相各40点の伝達関数を5組分一度に読み込みます。

 たとえば各種アナログフィルタの伝達関数を計算しておき、このテーブルに格納することにより、その入出力間の波形の変化を評価することが可能となります。

    ***** コマンドの入力法と特殊キ−の説明 *****

●コマンド選択の入力法

 本プログラムのコマンド選択などの入力は、キ−ボ−ドを用いて簡単に行えるようになっています。ほとんどの場合、キ−を押すだけでよく、適当でない入力の場合には反応しないようになっています。例外として、ファイル名の入力のように文字入力が必要な場合や、数字の入力が必要な場合は、それらを入力してからリタ−ンキーを押す必要があります。

メニュ−画面におけるメニュ−の選択法

 メニュ−画面におけるメニュ−の選択法は次の2通りの方法があります。

1.数字キ−を用いる方法

 選択したいコマンドの前についている番号を入力します。

2.カ−ソルキ−(”↑”,”↓”)を用いる方法

 カ−ソルキ−の”↑”または”↓”を押すと、コマンドの前の数字が白から赤になります(この状態で赤い数字のコマンドが選択されています)。次に”↑”または”↓”で目的のコマンドを選択し、リタ−ンキーを押します。

●「ヘルプ(HELP)キ−」について

 ヘルプキ−を押すと主メニュ−画面に戻ります。例えば、現在行っている処理を終了したい場合や、入力を間違えてしまった場合などは、ヘルプキ−を押して主メニュ−画面に戻って、もう一度入力しなおすのに用います。

●「ファンクションキー」について

 ファンクションキ−にも、いろいろな機能が設定してあります。それぞれのキ−の機能に関しては「F・1キー」を押せば表示されるので、その中で使いたい機能があれば、メニュー画面に戻して目的のファンクションキ−を押せばその機能が働きます。

 たとえば、F・5キーでデータのコメントを表示したとき、チャンネル番号を入力すると、そのチャンネルのコメントがプリンタに出力されます。また、グラフィック画面は2画面の利用が可能です。

         ***** 機能説明 *****

 本プログラムには、多彩な機能があります。ここでは、それらの機能について簡単に紹介し説明します。

「1.FFT」

<機能>

 高速フーリエ変換をすることによって、指定したチャンネルの時間軸データから周波数スペクトルデータを求めます。

<使用法>

 コマンド選択後、FFTをかけたいチャンネル番号(1−8)を入力します。1チャンネルのみならば、チャンネル番号を入力後、リターン・キーを押します。2チャンネル同時にFFTをかけるときは、FFTをかけたい2つのチャンネルのチャンネル番号を入力後、すぐにFFTが行われるのでリターン・キーは押さなくても結構です。最大2チャンネル同時にFFTをかけることができます。

 FFTをかけると、ファンクションキ−のF・5によるコメント表示で、チャンネル番号の下に(f)が付きます。

「2.逆FFT」

<機能>

 高速フーリエ変換の逆で、指定した周波数スペクトルデータから時間軸データを求めます。

<使用法>

 コマンド選択後、逆FFTをかけたいチャンネル番号(1−8)を入力します。1チャンネルのみならば、チャンネル番号入力後、リターン・キーを押します。2チャンネル同時に逆FFTをかけるときは、逆FFTをかけたい2つのチャンネルのチャンネル番号を入力後、すぐに逆FFTが行われるのでリターン・キーは押さなくてもいいです。最大2チャンネル同時に逆FFTをかけることができます。逆FFTをかけるときには、周波数データを持っていないと時間軸データが作成できないので注意する必要があります。

 逆FFTをかけると、ファンクションキ−のF・5によるコメント表示で、チャンネル番号の下に(i)が付きます。

「3.データ保存」

<機能>

 本プログラムで処理された波形データをフロッピ−ディスクにセーブします。

<使用法>

 コマンド選択後、保存する波形データのチャンネル番号(1−8)を入力し、セーブするドライブ名(A,Bなど)を入力します。このとき”2チャンネル連続”はできないので”2”は押さないでください。次にファイル名を入力します。ファイル名は、基本的には6文字までとします。コメント入力は最大で約200文字まで入力できますが、必要最小限の情報はリターン・キーを押すことにより自動的にコメントファイル(ファイル名.#)に記録されます。

「4.データ読込」

<機能>

 デジタルオシロスコープなどで取り込んだ波形データをFFTプログラムに読み込みます。

<使用法>

 コマンド選択後、波形データが保存されているドライブ名を入力します。このとき、ドライブ名を入力する前に”2”を入力すると2チャンネル同時に読み込むことができます。別途用意してある波形取り込みプログラム「DS6612*」で取り込んだ入力波形と出力波形を同時にロードするときは、この2チャンネル連続取り込みを使うと便利です。次にファイル名(基本的に1〜6文字)を入力するわけですが、入力するファイル名には拡張子をつける必要はありません。次に、波形データを格納するチャンネル番号(1〜8)を入力します。2チャンネル連続読み込みの場合は、ここで入力した”ファイル名”+”G”と”ファイル名”の2つのファイルが、この順番に別々のチャンネルに格納されます。

「5.可変長読込」

<機能>

 A/Dコンバ−タから1〜62KWordの長さでで可変長取り込みした波形データをFFTプログラムに読み込みます。

<使用法>

 コマンド選択後、波形デ−タが保存されているドライブ名を入力します。このコマンドの場合には、自動的に2チャンネル同時に読み込むようになっているので、”2”を入力する必要はありません。次に、ファイル名を入力するわけですが、入力するファイル名には、拡張子をつける必要はありません。次に、ファイルを分割するか聞いてきますので、すでに分割してあるのならば”N”を入力します。まだ分割していないのならば、リタ−ンキ−を押して分割します。すると、何KWord目の波形データを読み込むか聞いてくるので、読み込みたい波形データのKWord数を入力します。

「6.データ編集」

<機能>

 波形データにいろいろな処理を加えることによりデータを編集します。

<使用法>

 コマンド選択後、必要なサブコマンド番号(1−5)を入力します。サブコマンドは次に挙げる五つがあります。

      1)時間軸データの作成

      2)時間軸データの規格化

      3)周波数軸データの変更

      4)デジタルフィルタリング

      5)デ−タの伝達関数による処理

6−1)時間軸データの作成

<機能>

 任意の周波数、振幅、波数の正弦波、方形波、三角波、のこぎり波を作成します。

<使用法>

a)正弦波の作成

 コマンド選択後、波形データを格納するチャンネル番号を入力します。その後、基本波のパラメータを入力する画面になったら、周波数、位相、振幅、波数の任意値を入力します。正弦波のデータが得たいのならば、基本波のデータを入力後、ヘルプキ−を押してメニュー画面に戻ります。更に正弦波の合成をし、高調波を含んだ波形を必要とするならば、メニューに戻らず任意の正弦波の合成を繰り返した後で、ヘルプキーを押すことによって主メニュ−画面に戻ります。

b)方形、三角、のこぎり波の作成

<機能>

 方形、三角、のこぎり波の作成を行います。

<使用法>

 コマンド選択後、チャンネル番号を入力し必要とする波形を選択します。その後、波形のパラメータを入力することによって、波形データが得られます。このときデータは時間軸データのみであり、周波数軸データを持たないことに注意する必要があります。

6−2)時間軸データの規格化

<機能>

 時間軸データを任意の間隔で抽出することによって、FFT演算の結果を円滑にします。

<使用法>

 コマンド選択後、規格化を行うチャンネル番号を画面にならって入力します。このときの同時に規格化できる最大チャンネル数は2チャンネルです。画面に波形が表示されたら、「△」マークを矢印キーで移動させ、必要とする波形データを抽出します。なお、波形デ−タのゼロクロス点を自動的に抽出するので、普通はリタ−ンキ−を押して確定するだけで結構です。もし、別の部分を抽出したい場合には、「△」マークを任意の点に移動させ、スペ−スキ−でもう一つの「△」マークを有効として、任意の点まで移動させます。このようにデータ範囲を定めたら、リターン・キーを押して確定します。確定後、1024点のデータ中に何回抽出部分を繰り返すかを入力します。2チャンネル同時に規格化を行うように設定しておいた場合は、以上のような操作を1回行うだけで、もう一つの連続したチャンネルにも自動的に規格化が行われます。

6−3)周波数軸データの変更

<機能>

 FFTされたデータのスペクトル値の変更を行います。

<使用法>

 コマンド選択後、FFTがかけられているチャンネル番号を入力します(FFTされていないと、スペクトルデータが無い旨のエラー警告が表示されます。)。画面にスペクトルが表示されますが、上が実部で、下が虚部になります(グラフィック関係は、コマンド「7.グラフ作成」を参照してください)。「△」マークをカ−ソルキーで変更したい周波数値まで移動させ、リターン・キーを押します。その後、新しいデータを入力することによって、データ変更ができます。データ修正後、ヘルプキーで、メニュ−画面に戻ります。

6−4)デジタルフィルタリング

<機能>

 フィルタをかけることによって、不要なスペクトルを消去します。ノイズ成分などの消去に便利です。

<使用法>

 コマンド選択後、デジタルフィルタをかけるチャンネル番号と、フィルタをかけた後のデータを格納するチャンネル番号を入力します。スペクトルが画面に映し出されたら、フィルタをかける範囲を「△」マークをカ−ソルキ−で移動させることによって決定します。ただし、スペクトルの

      a)整数倍高調波以外を消去するならばNを入力

      b)奇数倍高調波以外を消去するならばKを入力

      c)偶数倍高調波以外を消去するならばGを入力

します。この後、基本波周波数を入力することによってその周波数に対する整数倍、奇数倍、偶数倍高調波のみが残ることになります(これらの場合、フィルタがかけられる周波数範囲は全周波数領域になるので、「△」マークで周波数範囲の指定をしなくても結構です)。

 次に、どの成分のスペクトルを除去するかを指定します。実部成分ならばR、虚部成分ならばI、実部と虚部とも除去ならばY、除去範囲変更ならばNを入力します。これで指定したチャンネルにフィルタリングした後のデータが格納されます。このデータを逆FFTにかけることによって、時間軸データが得られます。

6−5)データの伝達関数による処理

<機能>

 伝達関数を用いて入力および出力の相互の変換を行います。

<使用法>

 コマンド選択後、測定時に用いた検出増幅器のゲインレベルを入力します。その後、入力、又は出力波形のどちらかの場合に応じてコマンドを選択します(損失電流波形を予測するならば”2”を入力する)。次に、元データが格納されているチャンネル番号と、予測されたデータを格納するチャンネル番号を入力します。確定後、疑似処理データが作成されますが、これは周波数軸データなので逆FFTをかけなければ時間領域の波形としては見ることはできません。

「7.グラフ作成」

<機能>

 時間軸データ、周波数軸データをCRT画面上に表示します。

<使用法>

 コマンド選択後、チャンネル番号(1−8)を入力します。チャンネルについては次の制約があります。通常4チャンネルまで表示できます。ただし3チャンネル以上はT:時間軸データ、又はF:周波数データのどちらか一方しか表示できません(2チャンネル以下は両方表示できます)。最大では8チャンネル全て表示できますが、この場合、時間軸データしか表示できません。

 次に波形間の位相観測ならば、”Y”を入力します。”N”を入力すると、1波形ごとの波形観測を行います。”Y”を入力後、位相が観測されます。

 ”N”を入力後、表示チャンネル数が2チャンネル以下か、もしくは3チャンネル以上の表示で周波数軸データを指定した場合、周波数軸データの表示形式を決定します。表示形式は通常、電力表示のLOGスケールでよく、リタ−ンキ−の入力によって標準選択されます(他には、実部と虚部やリニアスケールでも表示可能です)。

 次に、振幅の”max&min”を入力しますが、通常リターン・キーを押すことによって自動的に最大値、最小値を検出し、表示を行うようになっています。

値を一つのみ入力すれば、「±その入力した値」で表示し、カンマ「,」で区切って二つ入力すれば、それらの値を最大値と最小値として表示します。

 以上の操作によって波形観測ができます。

 なお、「実部と虚部」のグラフにおいては、赤のスペクトルが正を表し、青のスペクトルが負を表しています。これらから、任意周波数値の位相が解ります。

 また、実部とは余弦(COS)成分を、虚部とは正弦(SIN)成分を意味しており、余弦成分は正弦成分より90度進んでいるものとして取り扱っています。

「8.データ複写」

<機能>

 チャンネル相互間のデータのコピーや、交換を行います。

<使用法>

 コマンド選択後、データの入れ替えを行うならば「1:データ交換」、データのコピーを行うならば「2:データ複写」を選択します。その後、格納するチャンネル番号を入力することによってデータの交換、複写が行われます。

「9.データ拡大」

<機能>

 データの拡大を行うことによって、量子化ビット数の小さな波形の観測を容易にします。

<使用法>

 データを拡大するチャンネル番号を入力します。画面にそのチャンネルの最大電圧値が表示されるので、それを基にデータを拡大します。なお、デ−タの拡大は、時間軸デ−タと周波数スペクトルデ−タの両者に対してそれぞれ可能です。デ−タの最大値は、標準の内部作成データで80[V]未満(16ビットまで)です。

「Z:修正」

<機能>

 時間軸データの修正を行います。パルス状ノイズなどの除去に便利です。

<使用法>

 修正するデータが格納されているチャンネル番号(1−8)を入力します。カ−ソルキ−を押すことによって、時間軸データが画面に現れます(↑:10データ右に移動 ↓:10データ左に移動 ←:1データ左に移動 →:1データ右に移動)。変更したいデータのところでリターン・キーを押し、新しいデータを入力します。データの値はビット換算値(最大2の15乗)なので注意する必要があります。時間軸の規格化で現れた特異データ(ノイズ)の修正などに便利です。

「A&X:伝達関数表示&計算」

<機能>

 現在、本プログラムで使用されている伝達関数の表示(A)と、入出力2チャンネル間の伝達関数の計算(X)を行います。

<使用法>

 ”A”入力後、表示したいゲイン(4〜7)を入力します。重ねて他のゲインのデ−タを表示したいときには更に他のゲインの数値を入力します。表示されている伝達関数は現在本プログラムにおいて使用されている伝達関数です。

 伝達関数を計算するときは”X”キーを入力します。

 入出力間の伝達関数を得る場合、入力波形の格納されている方のチャンネル番号を先に入力し、その後出力波形の格納されているチャンネル番号を入力します。

 ここで注意すべきことは、伝達関数を計算するときには、周波数スペクトルを用いて計算するので、両チャンネルの波形データにはFFTをかけておかなければならないということです。

 計算後、画面に表示された伝達関数は緑が振幅、赤が位相を表しています。

          ***** 操作例 *****

 本プログラムの基本的な機能を用いた波形処理の操作例をここに示しておきます。以下にその操作手順を示しておきますので、各コマンドの操作に関しては前述の機能説明(P3〜P.9)を参照しながら、実際に操作してみて下さい。

 まず、P.2のプログラムの起動の手順に従ってプログラムを起動して下さい。続いて、以下の手順に従って実行させてみて下さい。

1.波形デ−タを本プログラムに2チャンネル連続で読み込みます。

 ”4”を押して下さい。続いて、”2”,”B”を押して下さい。デ−タのファイル名”TEST”を入力しリタ−ンキ−で確定後、”1”と”2”を押して下さい。これで、チャンネル1に”TESTG”、チャンネル2に”TEST”というデ−タファイルが読み込まれました。リタ−ンキ−を押して、メニュ−画面に戻って下さい。

2.1,2両チャンネルの波形デ−タにFFT処理をかけます。

 ”1”を押して下さい。続いて、”1”,”2”を押して下さい。

3.1,2チャンネルの波形デ−タをCRT画面上に表示して確認します。

 ”7”を押して下さい。続いて、”1”,”2”,リタ−ンキ−を続けてゆっくりと6回押して下さい。波形確認後、リタ−ンキ−でメニュ−画面へ戻って下さい。

4.時間軸デ−タの規格化をします。

 ”6”に続いて”2”を押して下さい。続いて”2”を押して2チャンネル同時にしてから、”1”,”3”を押して下さい。リタ−ンキ−をゆっくりと4回

押してメニュ−画面に戻って下さい。

5.規格化した波形デ−タにFFT処理をかけます。

 ”1”を押して下さい。続いて、”3”,”4”を押して下さい。

6.波形表示をして、周波数スペクトルの変化を観測します。

 ”7”を押して下さい。続いて”3”,”4”を押した後、リタ−ンキ−をゆっくりと6回押して下さい。波形確認後、リタ−ンキ−でメニュ−画面へ戻って下さい。

7.FFT処理を施した波形デ−タに、デジタルフィルタをかけて、第五高調波以降の周波数スペクトルを除去します。

 ”6”に続いて”4”を押して下さい。続いて”3”,”5”を押して下さい。

リタ−ンキ−で確認後、カ−ソルキ−で、DETA1( )の( )の中の数字が11になるところまで上の「△」マ−クを移動して下さい。スペ−スキ−を押してDETA2を選択状態として(1度、DETA2が選択状態になっていることを確認してください)、カ−ソルキ−で下の 「△」マ−クを一番右端まで移動させて下さい。その後でリタ−ンキ−、続いて”Y”を押して下さい。ヘルプキ−を押して、本処理を終了してメニュ−画面に戻って下さい。

8.7の処理を施した波形デ−タに逆FFTをかけます。

 ”2”を押して下さい。続いて、”5”,リタ−ンキ−を押して下さい。

9.波形表示をしてもとの波形とデジタルフィルタをかけて高調波成分を取り除いた後の波形を比較してみます。

 ”7”を押して下さい。続いて”3”,”5”を押した後、リタ−ンキ−をゆっくりと6回押して下さい。すると、以下のようにCRT画面上に表示されるはずです。リタ−ンキ−でメニュ−画面に戻って、プログラムの操作を続けて下さい。

 以上が、本プログラムを用いた簡単な波形処理の一例です。

          ***** 使用例 その2 *****

 本プログラムの基本的な機能を用いた波形処理の例をここに示しておきます。

1.波形デ−タを読み込む。

 波形デ−タには2種類あるので、それぞれの読み込み方について説明しておきます。波形デ−タを読み込んだ後の処理は、同じですので以後の説明に従って波形処理を行っていただきたい。

・通常の波形データの読み込み

 通常の波形データの読み込みは、「4.デ−タ読込」 コマンドを用いて行います。メニュー画面で、「4.データ読込」コマンドを選択します。そうすると、ドライブ番号を聞いてくるので、まず”2”を押して2チャンネル同時読み込みにします。その後、デ−タが保存されているドライブ番号を入力するわけですが、今回はBドライブにデ−タが保存されたフロッピ−ディスクが入っているので”B”を押します。すると、画面上に、読み込み可能なファイル名が表示され、どのファイルを読み込むか聞いてくるので、読み込むファイル名を入力します。次に、何チャンネルに読み込むか聞いてくるので、1チャンネルと2チャンネルに読み込むこととして、”1”、続いて”2”を押します。これで、波形データの読み込みは完了しました。

・可変長読み込みされた波形データの読み込み

 可変長読み込みされた波形データの読み込みは、「5.可変長読込」のコマンドを用いて行います。メニュー画面で、「5.可変長読込」コマンドを選択します。そうすると、ドライブ番号を聞いてくるので、ここでデ−タが保存されているドライブ番号を入力するわけですが、今回はBドライブにデ−タが保存されたフロッピ−ディスクが入っているので”B”を押します(本コマンドでは、自動的に2チャンネル同時読み込みになっているので、”2”を押す必要はありません)。すると、画面上に、読み込み可能なファイル名が表示され、どのファイルを読み込むか聞いてくるので、読み込むファイル名を入力します。次に、何チャンネルに読み込むか聞いてくるので、1チャンネルと2チャンネルに読み込むこととして、”1”を押します。続いて、ファイルを分割するか聞いてくるが、あらかじめファイルを分割してあるので”N”を押します。続いて、何KWord目のデータを読み込むか聞いてくるので、読み込みたい波形データのKWord数を入力します。これで、可変長読み込みされた波形データの読み込みは完了しました。

2.読み込んだ波形を表示する。

 メニュ−画面で、「7.グラフ表示」コマンドを選択します。続いて、表示したい波形データが、保存されているチャンネル番号(今回は、”1”、続いて”2”、続いてリターンキー)を入力します。次に、スペクトル観測か、どうか聞いてきますが、現時点では、FFT処理を行っていないので、”N”を押します。これで、波形が表示されますが、メニュー画面に戻るとグラフとメニュ−画面が重なって見にくくなるので、波形を見終わったら”f・7”を押して画面をクリア−してから、ヘルプキ−を押すと、もとのメニュー画面に戻ります。

3.時間軸データの規格化をする。

 時間軸データの規格化をするには、まず、「6.データ編集」コマンドを選択します。続いて、サブコマンドの「2.時間軸データの規格化」を選択します。2チャンネル同時に行いたいので、”2”を押して2チャンネル同時にします。次に、何チャンネルの波形データを規格化し、何チャンネルに格納するか聞いてくるので、”1”、続いて”3”を押します。すると、ディスプレイ上に波形が表示され規格化する範囲を確認してくるので、もしよければ”Y”を押し確定します(基本的には、2波形入るようにするわけだが、もし入っていなければ1波形でもよい)。すると、平均化回数を聞いてくるので、2波形入っていれば1回、1波形しか入っていなければ2回平均化するようにします。これで、1チャンネルに格納されていたデータを3チャンネルに、2チャンネルに格納されていたデ−タを4チャンネルにそれぞれ規格化して格納完了しました。

4.FFT処理をかける。

 規格化したデータにFFT処理をかけます。「1.FFT」コマンドを選択します。 すると、何チャンネルのデータにFFT処理をかけるか聞いてくるので、FFT処理をかけたいデ−タが格納されているチャンネル番号(今回は”3”、続いて”4”)を入力します。

5.波形表示をしてスペクトル成分を観測します。

 メニュ−画面で、「7.グラフ表示」コマンドを選択します。続いて、表示したい波形データが、保存されているチャンネル番号(今回は、”3”、続いて”4”、続いてリターンキー)を入力します。次に、スペクトル観測か、どうか聞いてくるので”Y”、もしくはリターンキーを押します。次に、スペクトルデ−タの表示形式について聞いてくるので、自分の望む形式を選択します。これで、波形が表示されますが、メニュー画面に戻るとグラフとメニュ−画面が重なって見にくくなるので、波形を見終わったら先ほどの波形表示の時と同様な操作を行い、画面表示を見やすくします。

6.デジタルフィルタをかける。

デジタルフィルタをかけて、高調波成分(ノイズなど)を取り除きます。まず、「6.デ−タ編集」コマンドを選択します。続いて、サブコマンドの「4.デジタルフィルタリング」を選択します。何チャンネルのデ−タにデジタルフィルタをかけるか聞いてくるのでデ−タが格納されているチャンネル番号、続いてデジタルフィルタをかけた後のデ−タを格納するチャンネル番号を入力する(まず、3チャンネルのデ−タにデジタルフィルタをかけ、5チャンネルに格納し、続いて4チャンネルのデ−タにデジタルフィルタをかけ、6チャンネルに格納する)。すると、スペクトル成分が表示されデジタルフィルタをかけることができるようになる。△マ−クを移動させてどの周波数スペクトルを取り除くか決めるわけだが、移動させる事ができる△マ−クはスぺ−スキ−で変更でき、移動は、矢印キーで行い(↑:10データ右に移動 ↓:10データ左に移動 ←:1データ左に移動 →:1データ右に移動)”↑”で右方向に、”↓”で左方向にはやく移動させることができる)、取り除くデ−タ範囲を決定する。取り除きたい周波数スペクトルが複数の場合には、上の△マ−クと、下の△マークではさむ範囲にその周波数スペクトルが入るようにし、1つの周波数スペクトルだけを取り除きたい場合には、上下の△マークを取り除きたい周波数スペクトルに合わせれば良い。ここでは、第三高調波以降の周波数スペクトルと直流分を取り除こうと思う。まず、直流分を取り除くには、先に述べた要領で上下の△マ−クを一番左端に持っていきリタ−ンキ−を押して確定します。デ−タ範囲はいいか聞いてくるので”Y”を押すと、直流分は取り除かれました。次に、第三高調波以降の周波数スペクトルを取り除くには、上か下の△マークを左から 番目のスペクトルに合わせ、もう一方の△マークを一番右の周波数スペクトルに合わせてリタ−ンキ−を押して確定します。デ−タ範囲はいいか聞いてくるので”Y”を押すと、上下の△マ−クで挟まれた範囲の周波数スペクトルは取り除かれました。ここで、ヘルプキ−を押して、メニュ−画面に戻ります。

7.逆FFT処理をかける。

 デジタルフィルタをかけたデータに逆FFT処理をかけます。”2.逆FFT”コマンドを選択する。すると、何チャンネルのデータに逆FFT処理をかけるか聞いてくるので、逆FFT処理をかけたいデ−タが格納されているチャンネル番号(今回は”5”、続いて”6”)を入力します。

8.波形表示をする。

 波形表示をして、元の波形とデジタルフィルタをかけて高調波成分を取り除いた後の波形を比較する。メニュ−画面で、”7.グラフ表示”コマンドを選択する。続いて、表示したい波形データが、保存されているチャンネル番号(今回は、”1”、、”2”、”5”、”6”)を入力します。次に、スペクトル観測か、どうか聞いてくるので”N”を押す。これで、波形が表示されますが、グラフとメニュ−画面が重なって見にくくなるので、先ほどと同様の処理を行い画面を見やすくします。

 以上が、本プログラムを用いた簡単な波形処理の一例です。

4E  情報伝送工学波形解析問題(平成6年4月28日)       所

 次の設問に答えよ。なお、波形の周波数は特に指定しない限り50Hzで、

1024点のデータ中に2波形を基本とする。また、振幅は全て波高値である。

Q1.振幅5Vの正弦波と3Vの正弦波を合成せよ。

Q2.振幅5Vの正弦波と3Vの余弦波を合成せよ。

Q3.振幅5Vの正弦波(50Hz)と3Vの正弦波(150Hz)を合成せよ。

Q4.振幅5Vの正弦波(50Hz)と3Vの余弦波(150Hz)を合成せよ。

Q5.振幅5Vの方形波の基本波成分の大きさと位相は。

Q6.振幅5Vの方形波の第5高調波成分の大きさと位相は。

Q7.振幅5Vの三角波の第5高調波成分の大きさと位相は。

Q8.振幅5Vの正弦波を入力したら振幅0.5Vの余弦波が出力された。

  この系の伝達関数を求めよ。

Q9.振幅5Vの方形波の基本波〜第5高調波成分のみの波形を求めよ。

Q10.上記の波形がゲイン6で入力された場合の出力波形の形状を求めよ。