マンデルブロ「フラクタル幾何学」(参考文献1の序より)
幾何学はなぜ、しばしば味気無いとか、つまらないと言われるのであろうか。雲や山の形、海岸線とか樹木の形を表せないということが、その理由の一つであろう。<略>
私はこの挑戦にこたえるべく考えをめぐらせた結果、自然の新しい幾何学を展開し、多くのいろいろな分野でそれを利用できるようにした。それによって我々の身のまわりの不規則で断片的な形の多くが記述でき、私がフラクタルと呼んでいる形のグループとして確認されることにより、たくましい理論ができあがるに至る。