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序論

人工知能(AI:Artifical Intelligence)とは、人間の持つ知的な能力を機械によって実現しようとする研究である。 ある意味では、人間と機械の競争と言えるかも知れない。 1997年春、チェスの世界チャンピョン・カスパロフがDeep Blueなるコンピュータに真剣勝負の末、敗れた。 チェスなどのゲームプログラミングは、AI黎明期の中心的課題でもあったし、また時代につれてAIの進捗度を表す一つの指標でもあった。 Deep Blue が本当の意味で知的かについては議論の多いところだが、チェスをするという能力においては機械は人間を上回ったといえる。 恐らく後世、1997年は、1956年ダートマス会議、1977年の知識工学などと並び、歴史的な年として記憶されるに違いない。 このようにAI研究を回顧すると、極めて広範な分野において、多様でかつ有用な手法が生み出されてきたことに気付く。

ニューラルネットワークとは、人間(動物)の神経細胞の構造を模した人工のニューロンを適当に接続し、入力を出力に写像する情報処理系のことである。 ニューラルネットワークは、高速のパターン認識や不完全なデータに基づく知識処理、適応学習能力などの面で優れており、近年は各種認識問題や機械制御などの応用がなされている。

本研究では内部記憶を持つニューラルネットワークを用い、教師信号に時間的な変化を考慮したものを考え、プレーヤーの時系列制御を行ない、 学習の結果を調べた。 本研究では遅れ学習なるものを採り入れて、遅れ時間1と遅れ時間2の遅れ学習の出力誤差を調べた。 遅れ学習をすることで、内部記憶を持つニューラルネットワークの出力層全体の学習信号作成が可能となる。 また、ゲームの時間の刻みを従来よりも小さくしたとき学習後の誤差にどう影響するか調べた。



Toshinori DEGUCHI
2005年 4月 1日 金曜日 17時11分43秒 JST