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4.3.1 安定条件

  広域的追加学習とは、長名 tex2html_wrap_inline1610 服部 tex2html_wrap_inline1610 萩原らが提案したカオスニューラルネットワークモデルにおける未知パターンの学習法である。この学習法は、以下に述べるような安定条件が成立する時、全てのニューロンの結合荷重を一度に変化させ、追加学習を行なうものである。

安定条件とは tex2html_wrap_inline1782 になるための条件で、4.2節で述べたように外部入力の時間加算を考慮しているので、ある程度時間が経過すると外部入力の項が、ニューロン間の相互結合の項や不応性の項の影響よりも大きくなる。広域的な追加学習では全てのニューロンに対して式(4.3)が成り立つ時に、そのネットワークが安定したと判別し、その時の時間を tex2html_wrap_inline1782 としてネットワークの安定した時間とする。

  equation276

なぜなら、入力されたパターンが既知 tex2html_wrap_inline1610 未知パターンどちらでも式(4.3)が成り立つ時には外部入力の項が、ニューロン間の相互結合の項や不応性の項の影響よりも大きくなっているため、入力されたパターンを想起し、それ以降はそのパターンを想起し続けるということである。そのため出力の変化はそれ以前までしか起こらず変化量はその時の値で一定となりネットワークが安定した時間と考えられる。

ネットワークが安定した時に4.2節で述べたように未知パターン、既知パターンの判別を行ない既知パターンならネットワークはそのまま動作をする。未知パターンなら、次式のように結合荷重 tex2html_wrap_inline1752 (シナプス結合)を変化させる。

  equation282

この式より tex2html_wrap_inline1782 の時のニューロンの出力を使うことにより入力にノイズや欠落が付加されていても正しいパターンを学習することができる。 なぜなら外部入力の項を時間加算しているのでノイズや欠落にかたよりがなければ外部入力の項は正しいパターンの影響を大きく受けるため、ネットワークが安定した時には正しいパターンを想起している。よって正しいパターンを学習することができる。



Deguchi Toshinori
1998年03月18日 (水) 13時22分42秒 JST