ニューロンの内部状態の推移を図4.1で表す。図はパターンA,B,Cを学習している時の未知パターンaを外部入力として与えている場合の14番目のニューロンの内部状態を表したものである。ネットワークは49個のニューロンが相互結合されており、各々のニューロンに0番目から48番目まで番号を付けた。
図より、 までは相互結合の項が外部入力の項と同じ符合になるように結合荷重を変化させて相互結合の項を変化させていることが分かる。つぎにt=26からは、不応性の項が相互結合の項より絶対値で大きくならないように結合荷重を変化させて相互結合の項を変化させていることが分かる。
また図4.2は、パターンA,B,Cを学習している時の既知パターンAを外部入力として与えている場合の14番目のニューロンの内部状態を表したもので、既知パターンなので相互結合の項はすでに外部入力の項と同じ符合になっており、不応性の項が相互結合の項より絶対値で大きくならないために、既知パターンでは結合荷重の変化はない。
これらの結果より4.4.1節で述べたことが実際のネットワークの中で行なわれ、未知パターンが入力された時には結合荷重を変化させるような内部状態になっていて、既知パターンが入力された時には結合荷重を変化させないような内部状態になっていることが分かる。また、ある程度時間が経過すると、外部入力の項がニューロン間の相互結合の項や不応性の項の影響よりも大きくなるということが分かり、局所的追加学習の安定条件が成立することが分かる。