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5.2.1 実験モデル

本研究で用いたカオスニューラルネットワークモデルが図5.1で、相互結合型ネットワークである。vをニューロンによらず一定値をとるものとしてi番目のニューロンのダイナミクスは式(5.1)となる。また出力関数は式(3.5)で与えられるシグモイド関数を用いた。

通常の連想記憶モデルでは入力パターンは初期入力としてのみ用いることが多いが、ここでは外部入力として入力パターンを継続的に与える。また、従来のカオスニューラルネットワークを用いた連想記憶モデルの多くはニューロンの出力に関してのみ時間加算を考慮しているのに対し、式(5.1)では外部入力に関しても時間加算を考慮している。式(5.1)の各パラメータの値を表5.1のように決めた。この値がカオスを簡単に生成するために重要である。

   figure372
図 5.1: カオスニューラルネットワークモデル

  equation380

 

 
tex2html_wrap_inline1848 = 0.015 tex2html_wrap_inline1850 = 2.0 tex2html_wrap_inline1852 = 0.99
tex2html_wrap_inline1854 tex2html_wrap_inline1856 tex2html_wrap_inline1858
tex2html_wrap_inline1860 tex2html_wrap_inline1862 tex2html_wrap_inline1864
表 5.1: 各パラメータ

本研究の実験で使用したパターンは、7*7の白いマスを黒の点と黒に塗りつぶしている。パターンを入力する時には一つのマスを一つのニューロンに入力し、黒の点のマスを-1、黒に塗りつぶされたマスを+1として入力する。既知パターンを図5.2A,B,Cと決め、未知パターンを図5.3a,b,cと決めた。このパターンの相似度を表5.2に示す。相似度が大きいほどそのパターン同士は似ているということになり、同じマスのニューロンへの入力が同じ部分が多いということである。一番大きい71.42 tex2html_wrap_inline1876 では49個あるニューロンのうち35個のニューロンの外部入力が同じである。そのため相似度が大きいほど入力パターンにノイズや欠落が存在する時に正しいパターンを認識しにくくなる。

   figure404
図 5.2: 既知パターン

   figure412
図 5.3: 未知パターン

 

 
相似度[ tex2html_wrap_inline1878 ]
A B C a b c
A100.00 48.9455.1063.2771.4246.94
B48.94100.00 65.3163.2771.4246.94
C55.1065.31100.00 42.8463.2759.18
a63.2763.2742.84100.00 71.4267.35
b71.4271.4263.2771.42100.00 59.18
c49.9446.9459.1863.7559.18100.00
表 5.2: 相似度


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Deguchi Toshinori
1998年03月18日 (水) 13時22分42秒 JST